『サッカーと愛国』
[著]清義明
[発行]イースト・プレス
こうして、これまでそれほど問題視されていなかった旭日旗が韓国では批判の対象となっていった。日本のインターネット上では、旭日旗が韓国で問題視されるようになったのは、キ・ソンヨンのウソからはじまったということになっている。「それまでは問題ではなかったのに」という意見である。これは半分当たっているし、半分はずれてもいる。
戦後、東アジアでは旭日旗は「日本軍の悪事の象徴」、または「日本軍国主義の恐怖の象徴」として扱われてきた。中国では特にそうである。中国映画では「反日映画」というのがひとつのジャンルとして成立している。これらの映画では必ず、日章旗や旭日旗を押し立てて、お約束のようにトラックに乗った日本軍がやってきて住民を暴虐の極地に追い込んでいく。