『サッカーと愛国』
[著]清義明
[発行]イースト・プレス
差別問題に今ひとつ適切な対応ができない日本社会のなかで、Jリーグやサッカーファンとサポーターが素早く適切な反応をしたのは、欧州のサッカー界の現状を通じて、人権や多文化共生の世界と向き合いながら、知らず知らずのうちに国際基準の人権感覚を学んでいたからと言えよう。
新大久保のコリアンタウンで在日コリアンに対して「死ね、殺せ!」「韓国人は出て行け」と差別主義者や排外主義者がやっていても、デモという「言論の自由」を隠れ蓑にしているために、2016年にいわゆる「ヘイトスポーチ規制法」が施行されるまで長らく行政も司法も放置していた。