『1万人の家計を立て直してきたプロが教える「お金」の貯め方』
[著]横山光昭
[発行]PHP研究所
13 いくら頑張っても「貯まらない時期」もある
人生には、お金を貯めやすい時期と貯めにくい時期があります。
「こんなに頑張って切り詰めているのに、なぜお金が貯まらないのだろう?」
と、もし思っているとしたら、今が「貯めにくい時期」だからかもしれません。
人生には3回「貯め期」があるとされていますが、それ以外の時期は「お金がかかる時期」と言い換えることもできます。
たとえば、子どもの受験だったり、住居のこともあるでしょう。必要に迫られて、お金はどんどん出ていきます。それは、誰しもが通る道で、言ってみれば仕方のないことです。
お金が貯めにくい時期に「貯めなきゃ!」と必死になって、それがストレスになっている方は本当にたくさんいらっしゃいます。貯めたいのに貯められないという状況に焦りを覚え、「このままでは、一生お金を貯められないのではないか」と思い詰めてしまうのです。
けれども、同じような状況が一生続くことはありません。子どもが独立したら、また貯められる時期もやってくるでしょう。お金がかかる時期には「今は貯められない時期なんだ。仕方がない」と自覚し、いい意味で流すことも必要です。
逆に、今が「貯め期」だという方も注意が必要です。
「きちんと貯められているのだから、少しくらいお金を使ったって大丈夫。なんとかなる」という余裕にも似た気持ちが生まれるかもしれません。けれども、同じ状況がずっと続くとは思わないでほしいのです。
貯めている人は、そのあたりの流れを俯瞰して見ています。ですから、貯められない時期も焦ることなく、淡々とやれることをやっています。
GOLDEN RULE
貯まらなくても、焦らない、ヤケにならない
14 貯まる絶対法則はただひとつ、「収入-支出=プラス」
貯金の仕組みは実にシンプルです。稼いだ金額(収入)から使った金額(支出)を引いて、余った金額(プラス)が「貯金」。ただこれだけです。
文字で見ると、実に当たり前すぎることなのですが、これを実行するのがなかなか難しいのです。
相田みつをさんではありませんが、人間だもの。なかなかうまくいかないことも多いでしょう。それを、「私は使い方がダメなのかな」とか「子どもに甘いのかな」と悩み、自分を責め、行き詰まっている方は意外と多くいらっしゃいます。
でも、それほど複雑に考える必要はありません。
まずは、毎月の収支を少なくとも「プラス」にする。ただこれだけです。とにかく「支出が多い」という事実を変えるだけ。使い方うんぬんを思い悩むより前に、まず実行してみることです。
お金を貯めている人は、金額の多少にかかわらず、毎月「黒字」にしています。毎月、2万円なら2万円と、自分で決めた額を確実に残しています。おそらく、お金の使い方に「軸」があるのでしょう。
一方、貯められない人は、「先月は頑張って6万円のプラスだったけれど、翌月は5万円のマイナスだった」など、毎月の収支の「振れ幅」が大きいです。
おそらく、「先月は頑張って6万円もプラスにできたから、先月ガマンしていた洋服を今月買っちゃおう」というような気持ちになってしまうのでしょう。
まずは、少額でもいいので、毎月の収支を「プラス」にすることからはじめましょう。
GOLDEN RULE
毎月コツコツ、「プラス」を積み重ねよう
15 貯金、ダイエット、片づけ……ひとつでも成功すれば、良い循環に入る!
貯金とダイエット、そして片づけ。
一見、異なる3つのことですが、これらに共通する点があります。それは、どれも「自分をどれだけうまくコントロールできるか?」にかかっているという点です。
「マネジメント」の問題とも言い換えられるでしょう。ですから、ひとつがうまくいくと、連鎖的にほかのことも成功することが多々あります。
「片づけができるようになったら、お金も貯まるようになってきた」とか「ダイエットに成功したら、お金も貯まるようになってきた」などです。
相談にいらっしゃる方に、部屋が片づいているかどうかをたずねることがあります。
そして、「部屋が散らかっているんです」という方には、「お金のことを考えるより前に、まず部屋を片づけることからはじめましょう」とアドバイスすることもあります。
お金を貯めたいのなら、まず片づけをしましょう。または、ダイエットをはじめてみてもいいかもしれません。
とにかく、自分ができそうなことから着手するのです。この方法は応用が効きます。ひとつできたら、次もうまくいくはずです。ぜひ試してみてください。
GOLDEN RULE
お金を貯めたいのなら、まず部屋を片づける
16 モノは「お金」が姿を変えたもの
モノを買うときにはお金を払います。つまり、モノはお金が姿を変えたものです。ということは、モノを大事にできない人はお金も大事にできない、ということになります。