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反知性主義と新宗教
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生き方・教養
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「宗教消滅」でも衰えない反知性主義

『反知性主義と新宗教』
[著]島田裕巳 [発行]イースト・プレス


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 ここまで、日本における反知性主義の系譜を、新宗教を中心に見てきた。庶民を引きつける大衆運動としての新宗教は、知識人からすれば、知性を欠いた迷信的な運動に見えるかもしれない。だが、それぞれの教団は、知性よりも知能を重んじ、大衆のエネルギーを引き出すことに主眼をおいて発展してきた。少なくとも新宗教は、現実の社会とは異なる独自の世界を提供することで、大衆に居場所を与え、誇りを持たせてくれるものとして機能してきたのである。


 しかし、そうした反知性主義としての新宗教は、独自の価値の世界を形作っているがゆえに、外側に向かって広がり、社会全体に影響を与えるという点では十分にその力を発揮することはできない。信仰が核にあるがゆえに、その信仰を共有することができない人間には、信仰を押しつけてくる厄介な組織にしか見えない。その点で、新宗教に対する警戒感はなかなか薄れてはくれないのだ。


 それはとくに、「折伏大行進」と称して、かつてはかなり強引な布教活動を展開した創価学会について言えることだが、エホバの証人の家庭伝道や輸血拒否、あるいは統一教会の霊感商法も、一般の社会常識からは理解できないものととらえられてきた。そして、オウム真理教の事件が起こることで、一時、宗教に対する警戒感は相当に高まった。


 しかも、最近では、新宗教の著しい衰退という現象が起きている。これについては、拙著『宗教消滅──資本主義は宗教と心中する』(SB新書)などで論じたが、平成の時代に入って、新宗教の教団は軒並み信者数を半減させている。しかも、その傾向はとどまるところを知らず、これからもさらに衰退は続くものと予測される。


 第二章でふれたように、日本会議の源流の一つになった生長の家の場合には、本部を東京の(はら)宿(じゆく)から山梨の(ほく)()市に移し、エコロジーを中心とした宗教団体に変貌をとげている。けれども、信者数の著しい減少に直面している代表的な新宗教でもある。


 創価学会は、他の新宗教に比べれば世代交代に成功し、子弟がそのまま会員になることも多い。だが、信仰を親から受け継いだ会員の場合には、自ら信仰を獲得した親の世代に比べて、信仰を求める切実さに欠けており、活動も熱心とは言えない。


 新宗教のなかで唯一、信者の数を伸ばしているのは、東京の(たち)(かわ)に本部を置く真如苑である。現在、約九二万人の信者を抱えており、信者数は毎年、伸び続けている。その点で、例外的に拡大を続けている新宗教ということになるが、従来の新宗教とは異なり、組織としての活動はさほど重要性を持たず、個々の信者は直接教団と結びついている。果たして真如苑を新宗教の教団としてとらえていいのか、そこからして問題である。


 では、新宗教が衰退するということは、反知性主義が日本においては力を失ってきているということを意味するのだろうか。


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