『マッチングアプリの 三十路と婚活「雑草力」演習 その参』
[著]馬場チエ子
[発行]すばる舎
人生ではじめて、まともに婚活をした馬場。
失敗ばかりでしたが、自分自身を振り返り客観的に見つめられるようになったので、やってよかったと感じています。それ以上に、結婚に対する考え方も大きく変わったような気がします。
まず、恋愛と結婚は別ということを実感できたから。結婚相手としては申し分ないのに、退屈に感じてしまったり男性として見られなかったりしましたし、結婚したら苦労しそうなのにドキドキしたりしてました。頭ではわかったつもりでしたが、やはり感情はついてこないのです。そもそもこの2つが相容れることなんてあるんでしょか。馬場にはまだまだできそうにありません。
ところが、世の中にはたくさんの夫婦がいます。つまり、多くの人がこの両者をうまく理解し、割り切れたり妥協できたりしていることになります。それはまさに究極の思いやり。そう考えると、皆大人だなぁと感心してしまいました。というか、結婚してはじめて「大人」になれるのかもしれません。
結婚相手は一生を過ごす家族になる人なのです。いつ消えるかわからないトキメキを重視したら、関係の維持は困難です。そう頭ではわかっていながらもなお、異性にトキメキを求めている馬場は、本当の「大人」になる準備が整っていなかったのかもしれません。
そしてもう1つ感じたことは、結婚は奇跡だということ。何を今さらとか、大げさだとか、笑う人もいるかもしれませんが、数ヵ月もの期間結婚にフォーカスしたおかげで心からそう思うようになりました。たくさんの人が結婚しているから簡単というわけではないのです。
まず誰かを好きになることが奇跡。厳密に言えば、駅やお店や街で私たちは毎日何千人という人と出会っています。それでも「出会いがない」と嘆いていることを考えると、心が揺さぶられる誰かに出会うって、数千分の一、もしくは数千万分の一の確率なのではないでしょうか。
さらにそこから交際に至ることは、これ以上の奇跡です。両者がお互いに好意を持つなんて、未だ解明されていない人体の不思議を踏まえればすごいことだと思いませんか? まして、そこからさらに踏み込んだ関係になって家族になるって、本当に素晴らしいことです。
独身にとって、友人たちの結婚や出産の話はモヤッとするもの。
もちろん馬場だって、そう感じていました。
でも、こんな奇跡が自分の身近で起きていると思ったら、私はとんだ幸せものです。
婚活がうまくいかないと悩んでしまいますが、それだけすごいことにチャレンジしているのですから当然。でも実際に婚活をしてみないと、それを実感することすらできず、ますます卑屈な考えになってしまいます。本気で結婚したいならもちろんですが、結婚に対する強いイメージを持っているなら、「婚活」してみるといいかもしれません。