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(2021/11/26 追記)

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ガッツリ稼いで図太く生き残る! FX
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経済・金融
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1 相場局面の転換を見逃すな!

『ガッツリ稼いで図太く生き残る! FX』
[著]水上紀行 [発行]すばる舎


読了目安時間:7分
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 FXについての最低限の基礎知識をおさらいしたところで、いよいよ具体的な話に入ってきましょう。


◆為替相場には、大きく分けるとふたつの局面がある



 FXを手がけようとする個人投資家のみなさんに、私が何よりも先に知っておいてほしいと考えるポイントは、ドル/円やユーロ/円などあらゆる為替相場には、基本的に「トレンド相場」と「レンジ相場」というふたつの局面が交互に訪れる、ということです。


 トレンド相場とは、上なら上、下なら下へ一定のトレンドを持ってレートが変動していく相場局面のこと。


 逆にレンジ相場とは、明確なトレンドがなく、為替レートが一定の値幅内で上下に動き続けるような相場局面のことです(→図8参照)。




 このふたつの相場局面では、トレーディングに際して取るべきスタンスや儲けの方法がまったく異なってきます。そのことを知らないと、手痛い損失を被るケースが少なくありません。


 私はこれまで、ブログや出演番組などでも折に触れてこのトレンド相場とレンジ相場の違いについて話をしてきましたが、それは、このふたつの相場局面の違いについてあまり理解していない多くの個人投資家が、そのために大きな損失を出してしまうケースを数多く目にしてきたからです。


 また、私自身もこの違いを知らなかったがゆえに、いまだ忘れられない大失敗をした経験があり、その反省からも口を酸っぱくして述べるようにしています。


◆天国から地獄へと転げ落ちた個人的経験



 それは、もうかなり前の経験です。当時、三和銀行の為替ディーラーだった私は、その年の4月後半、日本の機関投資家によるドル/円での買いが本格化しそうだという確度の高い情報を得て、5月に入ってからドル/円を買えるだけ買っていました。買ったあとは、ひたすらロングポジションをキープです。


 するとその後、事前の情報どおりにドル/円相場が上昇を続けます。


 香港やシンガポールの米系銀行は、どこかで必ず調整的な反落が入るだろうと見て、毎日のように強烈な売り仕掛けをしていました。しかし、買い手が機関投資家の場合は、買ったらそう簡単には売りません。そのために毎日、夕方ごろになると、香港勢やシンガポール勢が損切りの買い戻しを入れてきたものです。


 そんな状況が1ヶ月以上も続き、7月に入ると5月初旬に比べてドル/円レートが20円以上も上昇していました。


 すでに大きな利が乗っていましたから、私はある重要指標の発表を利食いのタイミングにすると心に決め、予想より強い指標の数字にマーケットが買いで盛り上がっているところを、静かに全部利食いました。さらに、直後に少しショートのポジションも入れてみました。


 すると、予想が的中。相場ではブル(強気)になったマーケットの買いすぎが意識され始め、一転して大急落となったのです。


 ショートポジションはそこそこで利食いましたが、5月の買いの時点から見ると、本当に儲かった一連のトレードでした。


 その後も、8月は夏枯れで横ばいなので静観し、9月入りで再び買いの勢いが強まったのを見て、すかさずロングで再度エントリーすると、さらにある程度の利益を手にできました。


 この段階で、その銀行の歴代でもっとも儲けた為替ディーラーになったと先輩から聞かされ、まさにわが世の春を(おう)()する天国気分でした。


 しかし、世のなかそんなに甘くはありません……。



 10月に入っても、相場は一見これまでと変わらず、5月ごろからの上昇トレンドが続いているものだと思われました。


 しかし、やはり勝った(おご)りが出ていたのでしょう。相場変調の細かい兆候を見逃し、またたとえ目にしていたとしても、現実を直視せず、いまの相場はこれまでと何も変わっていない、と勝手に決めつけてしまっていたのです。


 そのとき、現実の相場はどうなっていたのかというと、トレンド相場が終了し、レンジ相場に転換していました。


 前述したように、レンジ相場というのは為替レートが一定の値幅内で上下に動く相場です。このときはとくにタイトなレンジで、上下の値幅が3円ぐらいしかありませんでした。


 トレンド相場からレンジ相場への転換に気づかず、トレンド相場の気分のままでトレードを行うと、あっという間に損がかさみます。


 具体的には、そのレンジ幅のなかで値段が上がれば、トレンドどおりにさらに上がると見て買うのですが、往々にして買ったところがレンジの上限で、頭を抑えられて反落し、含み損に転落します。


 レンジの下限に向かって値段が下がっていくと、下向きのトレンドに転換したのではないかと不安になり、投げて損失確定をします。しかし、レンジ相場ですからしばらくするとまた値段が上がり始めます。


 ダマシの下げだったかと、再度ロングポジションを持ってしまうと、哀れ振り出しに逆戻り、というわけです。


 これを大きなポジションで3往復もすると、ものも言えないほどやられてしまいます。


 当時の私も、5月から9月まで続いた半年間ものトレンド相場で、せっかく儲けた巨額の利益を半分近くも吹き飛ばしてしまったのです。いまだから笑って話せますが、想像もつかないような額の損失でした。


 さすがに自分の相場観に自信がなくなり、翌11月、12月には自己(ぎょく)でのポジション取りは休止して、自主的にいわゆる「ペナルティーボックス」に入りました。その間、やることは顧客から依頼のあった取引のカバー(顧客取引の手当てをインターバンク市場ですること)だけ。ものすごい敗北感だったものです。


 まさに、天国から地獄へと、真っ逆さまに転落した気分でした。


◆トレンド相場では長期の順張り、レンジ相場では短期売買が吉



 そのペナルティーボックス内で、トレンド相場では20円もの利幅を取れたのに、どうして3円幅のレンジ相場ではコテンパンにやられてしまったのだろうと、いろいろと振り返って考えてみました。


 結論としてわかったことは、トレンド相場とレンジ相場では、取るべきトレーディング手法が違うということです。


 相場のトレンドが一方向に向いているトレンド相場では、その流れに乗る順張りが有効です。トレンドが長期化すれば、私の天国時代のように大きな利益を得られるチャンスがあります。リスクを取れるのであれば長期投資も有効です。


 しかし、トレンド相場が終わってレンジ相場に転換する相場局面の変わり目では、レートが乱高下する場合が多く、私の地獄時代のようにせっかく積み重ねた大きな儲けを減らしたり、吹き飛ばしたりする恐れがあります。ですから、ある程度トレンドが長く続いたあとは、トレンドラインを切る兆候が少しでも見えたら、早々に手仕舞うことを意識することがとても大切です。



 逆にレンジ相場では、短期売買に集中することが賢明です。レンジ相場のなかでも、後述するようにいくつかのステージがありますから、ステージの変化に合わせたこまめなトレードが求められます


 当時、こうした結論を導き出した私は、相場局面の再度の転換の時期を測りました。そのころのドル/円レートには、2月から3月にかけて値段が毎年上昇する傾向がありましたから、このタイミングで起死回生を狙おうと考えたのです。


 2月から3月にかけてのレート上昇傾向の背景にあった、本邦金融機関による海外不良債権の償却がその年の期末にもあるのかを情報収集したところ、今回もあると確認が取れました。そこで、1月に入ってペナルティーボックスから出て、勝負に出ることにしました。


 はたして、2月から3月にかけて予想どおりに()(げん)した上昇トレンド相場で、10月に生んでしまった損失を取り戻し、いくらかの余剰利益も出すことができて、本当にホッとしたものです。



 このように、現状の相場局面を的確に把握し、それに沿ったトレーディングスタイルを取れるか取れないかによって、相場は天国にも地獄にもなりえます。いまがトレンド相場とレンジ相場のどちらなのかを常に見極める意識と、相場局面転換への警戒心を持つことが、とても大切というわけです。


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