仕事で会った初対面の女性に名刺を渡したとき、男はこう思う。これで彼女に俺という人間が何者かが伝わったにちがいない、と。名刺には会社名と連絡先、それに肩書きが書かれている。肩書きの会社での役職が部長クラスであれば、相手の女性はこの自分に一目おくだろう、とまで考えるかもしれない。
しかし、それはとんでもない思い違いである。なぜなら、女性は名刺の肩書きよりも、自分の目で確認した情報を信じるからだ。
ひと昔前、たしかバブルに世の中が浮かれていたころだったように思うが、そんな時代に「三高」という言葉がはやった。明治時代には三高といえば「高志、高徳、高潔」を指したのだが、ひと昔前の三高は、「高学歴、高収入、高身長」を指す。