数年前、酒井順子の『負け犬の遠吠え』(講談社)という本がベストセラーになった。あえて正直に言わせてもらうと、この本は男が読んでもちっとも面白くない。
負け犬女性とは「未婚、子ナシ、三十代以上」の女性のことである。ほかに、離婚して今は独身の女性や、結婚経験のないシングルマザーなども含まれる。オスの負け犬(つまり結婚できない男たち)についても書かれているが、その部分を読んでもまったく興味がわかなかった。周囲の男たち数人にも聞いてみたが、この本を読んだ人間はいなかった。
このことから考えても、結婚していないことについての受け止め方が男と女でかなり違うことがわかる。
その違いは、他人の目を意識しているかどうかに関係しているのではないだろうか。