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封印作品の謎 テレビアニメ・特撮編
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エンタメ
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はじめに

『封印作品の謎 テレビアニメ・特撮編』
[著]安藤健二 [発行]彩図社


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「禁断の作品」と聞いて、あなたは何を思い浮かべるだろうか。性描写が当局に問題視されて上映禁止になった映画や、政府を厳しく批判する表現が理由で発売禁止になった小説かもしれない。


 だが、こうした発禁作品が生まれるケースは現在、ほとんどない。第二次大戦前には、日本でも発表前に政府機関が事前チェックする「検閲」が一般的だったが、戦後に施行された日本国憲法で検閲が禁止されたからだ。


 そのため「禁断の作品」と言われるものの多くは、製作者による自主規制が原因だ。作品の内容に関して抗議を受けたり、作品の権利をめぐってトラブルが発生したりするなど、様々な理由から姿を消した。


 発表後に何らかの理由から幻になり、再び世に出すことができなくなっている作品を、私は「封印作品」と呼んでいる。本書で取り上げる『ウルトラセブン』第一二話、『怪奇大作戦』第二四話、『サンダーマスク』、『ノストラダムスの大予言』、日本テレビ版『ドラえもん』の五作品は、いずれも映像作品だ。しかし再放送はおろか、DVDやブルーレイディスクにも収録されない状態が続いている。


 こうした封印作品がクローズアップされるのには二つの理由がある。九○年代以降のコンテンツビジネスの拡大と、インターネットの普及だ。


 七○年代以前のテレビ番組の多くは一度放送されたらそれっきり。再放送されないケースも多かった。しかし、当時の番組を見ていた子供たちが成人して「思い出の番組をまた見たい」と願うことで、衛星放送で流れたり、ビデオカセットやDVDなどの映像メディアに収録されたりするなど、コンテンツのリサイクルが進んだ。そうした中で、どうしても再発表ができないエアポケットのような作品が取り残された。それらは、マニアの間で「封印作品」という神秘的なオーラをまとうようになった。

「見たいけど見られない」というマニアの欲求に答えたのは、インターネットだった。実は封印作品のうち、ファンが「どんな手段を使っても見ることができない」というものは少ない。ネットオークションやYouTubeなどの動画サイトでは、放映当時の録画や、フィルムの流出映像などが出回っており、断片的に見ることが可能だ。かつては、知る人ぞ知る存在だった封印作品たちは、ネットの普及で気軽に楽しめるようになった。


 公式には再発表されないため、コンテンツを見るためにはマニア間での情報交換に頼らざるを得ない。それがネット上での草の根的な交流に拍車をかけたのだ。封印作品とは、コンテンツビジネスとインターネットが生み出した共同幻想とも言える。


 本書は、二○○四年から○八年にかけて執筆した「封印作品の謎」シリーズから五つの作品に関する章を選び、編集を加えたものだ。私の本が出た後、多くの類似本が出たが、このジャンルでは草分けだったと自負している。


 本書の執筆当時は封印作品について記述すること自体が、出版メディアではタブーだった。『ウルトラセブン』第一二話は、その好例だ。取り上げた書籍に対して、著作権を管理する円谷プロは「他の怪獣の写真を使わせない」などと圧力をかけていたほどだ。ネット時代に注目を集めているのに、語ることがタブーになっている封印作品たち。それを真っ向から取材し、封印されている理由を明らかにする……というのが「封印作品の謎」シリーズのコンセプトだった。


 数え切れないほどの類書が出る中で、執筆をめぐるタブーは薄れつつあるが、作品そのものが出ないという状況は変わっていない。封印作品をめぐる取材を通して「封印を生み出すメカニズム」が少しでも浮き彫りに出来たなら幸いだ。


二○一六年九月 安藤健二



※本文は敬称略

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