『読んで、考え、書き記す 起業「成功」ノート』
[著]吉田雅紀
[発行]すばる舎
見込み客マーケティングには、顧客中心主義という大前提があります。まず、この顧客中心主義の話をしましょう。
僕は、マーケティング用語である「顧客満足主義」を「お客様中心主義」と言っています。
顧客満足というのは聞いたことがあると思うのですが、顧客満足ではありません。「顧客中心」です。ここだけの話ですが、僕は顧客満足というものがあまり好きではないんです。顧客満足は大事ですが、それが本質ではないように思っています。顧客満足というと、三波春夫氏の「お客様は神様です」をイメージしてしまいます。ちょっと古いですね……?
僕が顧客満足ということがあまり好きではない理由は、これはお客様との縦の関係を言っていると思うからです。お客様が上で僕たちが下。僕は上下のサービスを召使のサービスと言っています。ご主人様が召使に何か相談するでしょうか? 普通はしませんよね。
僕はお客様と対等なサービスを目指しています。上下ではなくて横のサービスです。僕の理解ですが、顧客満足とは、提供する価値と顧客の期待値をイコールにしようという試みです。
お客様中心主義とは、顧客の期待値を越えようとする試みです。
かつての豊かでなかった時代は、顧客の期待値を満たしていれば問題はありませんでした。だから、顧客満足主義で良かったのです。しかし、豊かで競争が激しい現代は、顧客はさまざまな選択肢や情報を持っています。顧客の期待値にイコールでないものは問題外。当たり前を超えないとお客様は満足すらしてくれません。