感謝の心を会得すると、幸運が巡ってくるという法則に、私が気づいて実行しはじめたのが、四十五歳の頃でした。
この世の中には、運の良い人、悪い人がいます。同じように努力し、頭の良さも同レベルなのに、一方は「伸びる人」として成功し、一方は「伸びない人」として失敗します。前者は運が良く、後者は運が悪いということになります。
では、運の良い・悪いは何で決まるかといいますと、良いことがあったときにも、悪いことがあったときにも、何か自分に至らないところはなかったか反省して、助けられ、許されたことに感謝することを習慣にした人に、運が巡ってくることになります。ですから、人一倍努力しても、反省せず、不満ばかり言って感謝しない人からは幸運が逃げてしまうのです。
大勢の人の例を見てきて、この法則は間違いないと確信してから、私も長年、努力、反省、感謝のサイクルを実行しています。おかげですこぶる運が良く、いまも現役で仕事をさせていただいています。ありがたいことです。
努力、反省、感謝、つまり
D・H・Kサイクルを心の習慣にしてしまうと、

精神が安定する、

体調が良くなる、

対人関係が良くなる、

人相が良くなる、

運が良くなるなど、いいことずくめなんです。
なるほど、世の中の多くの人は実によく努力しています。しかし、運が良いと自分でも思い、実際にそうだと周りも認めるような人は全体の一〇%くらいでしょう。その一〇%の人たちはみな、この
D・H・Kサイクルの法則を知って実行しているようです。
仕事柄、全国の企業をまわりますので、その土地、その土地でタクシーに乗りますが、運転手さんと話していると、感謝して仕事をしている人はやはり全体の一〇%くらいです。六〇%の運転手さんは、努力しているのにそれほど報われないと、内心不満を持っておられるようです。では、残りの三〇%の人はどうでしょうか。あまり努力もせずに、会社の悪口、政府の悪口ばかりの不満人間で、ちょっと首をかしげたくなります。
これは、なにもタクシーの運転手さんに限ったことではなく、すべての人に当てはまる割合だと思います。
毎日、ほんのわずかの心の習慣が、一年、二年、三年経ったときには、大きな運命の差となってその人の人生に表れてくるのです。
ぜひとも、二十代、三十代の若いときから、努力、反省、感謝のD・H・Kサイクルの法則を知って、実行していただきたいと思います。
伸びる人 ◆ D・H・Kサイクルの法則を知り、実行している
伸びない人 ◆ 努力はしても、不平不満がいっぱい