読みたいトコだけ買える本。
犬耳書店
初めての方へ 記事一覧 無料登録 ログイン

犬耳書店はRenta!へ統合いたします

(2021/9/29 UP)

犬耳書店は、姉妹店のRenta!(レンタ)へ統合いたします。
詳しくはこちらでご確認いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

0
250
kiji
0
0
1132051
0
子どもが親に「別に……」しか言わないワケ
2
0
0
0
0
0
0
くらし
お気に入りとは?

お気に入りボタンを押すとお気に入りリストにこのページが追加されます。興味のあるページ・気になったページを後から確認するのに便利です。

お気に入り お気に入り
第一章 子どもの定義を考える

『子どもが親に「別に……」しか言わないワケ』
[編著]石田志芳 [発行]PHP研究所


読了目安時間:34分
この記事が役に立った
0
| |
文字サイズ


子どもの定義を考える


“まえがき”で16歳の子どもが書いていた通り、子どもと大人の境界線は明確にあるのだろうか?

 あるとすれば、それを測る物差しは、精神年齢なのか、肉体年齢なのか…。

 子どもたちは(まさ)しく、この問題に行き詰まっている。なぜなら、大人の子ども化があまりに深刻化しているからだと私は思う。

 厚生労働省が児童福祉法なるものを定めている。そこには子どもは“0歳児から14歳児”と定義づけられている。

 では、私たち大人は子どもではないのだろうか?

 私はボランティア活動を10年以上続けている。親から暴力や育児放棄・過干渉といった肉体的・精神的苦痛を与えられている子どもたちをサポートする活動だ。

 あなたは虐待と聞いてどのようなイメージを受けるだろうか。
“我が子に暴力を振るう”という行為が虐待だと口にする人が多いのではないだろうか。

 一口に虐待といってもさまざまなパターンがある。代表的な例を挙げてみよう。暴言や暴力、過干渉やネグレクト。これらは全て虐待に当たるのだ。

 暴力を“(しつけ)”だと言い張る親も多いが、子どもが恐怖心を覚えるような暴力は“躾”とは言わない。

 よく、幼児の泣き声や殴る音などを聞いても、虐待かどうかの判断がつかないという人がいる。

 もし、自分が怒鳴り声や殴る音を聞いて、自分が被害者だったらという恐怖を感じたなら、小さな子どもはもっと恐怖を感じているはずなのだ。

 だからこそ、勇気を持って通報し、小さな命を救う大切さを忘れてほしくないのだ。

 たとえ虐待でなくても、子どもを怪我(けが)やPTSDから救ってやることができるかもしれない。傍観者は共犯者なのだ。

 特に過干渉というものが近年、問題になっている。これは、親が我が子の人格を無視して支配する行為で、子どもの人格形成に大きく影響を及ぼす。

 全ての子どもに当てはまるとは言わないが、人格(自我)が未完成なまま思春期を迎えた時、子どもはさまざまな場面でパニック状態になることが多く見られる。

 小さい頃から親の指示通りに生きてきた良い子は、思春期を迎えると時に暴走する。思い通りにいかない物事や友達に腹を立て、ナイフや彫刻刀で刺したりといった事件を起こすこともある。

 こうした成育過程が、大人になってからの人生を左右することを私は()の当たりにしてきている。

 この原稿を書いている今現在も、親の被害にあい続けて苦しみから解放されないと、たくさんのメールや電話で相談が来ている。

 相談者が心底から「死にたい」と言った時は飛んで行く。

 育った環境は必ず何かしらの形で、大人になってからの人生にも影響を与える。

 全ての生きている大人たちにも親がいる。つまり、みんな子どもなのだ。
“まえがき”を書いてくれた16歳の言葉をしっかりと受け止め、自分に問いかけてほしい。「自分は果たして大人なのだろうか?」と。

 以上のことを踏まえ、これから紹介する、“普通の良い子”たちからのメールを読んで現実を知っていただきたい。

 それに加えて、大人に潰された34歳の元母親からのメールを1つだけ読んでいただきたいと思う(第六章)。

 彼女は私がこの本を出版すると伝えた時、真っ先にメールをくれた。「石田さん、これを載せて下さい。私みたいな大人が増えないようにしたいのです」。彼女は、2年間の私との対話を経て、休息のために精神科へ入院した。執筆中に退院したとメールがあった。

 退院後の彼女は、親の呪縛から解き放たれて、人生をやり直し、笑顔で生きている。

 自分の人生を、親の指示を受けずに自分の意思でやり直そうと頑張っている。

 この本を通じて、言葉の大切さ、今、生きていることが当たり前ではないことを、実感していただきたい。

 なお、この本の中に掲載されているメールや作文は、全て、世間の大人がイメージする“普通の良い子”と呼ばれている子どもたちからのものである。全て生の声であるということを伝えるために、送られてきたものをそのまま掲載している。

 そのため、文章が乱れていたり誤字があったりするが、それらをあえて修正はしていない。

 よりリアルに伝えたい。

 子どもたちが、仮面をつけていない文章だからこそ、内容に一部不適切な表現が含まれていることもある。

 それは、子どもたち自らが覚えたものでなく、周囲の大人たちから身に付けた表現方法である。

 それが意味するものは何か。

 今も世の中では、不適切な表現をする大人たちが横行しているということである。

 ただし、個人名や企業名といった個人情報だけは法的に出すことができないので隠しているということを付け加えておこう。

 それ以外は全て子どもたちの本音。

 この本はあくまでも真実であり、全国の“普通の良い子”を演じる子どもたちの本音が書かれているということを念頭に置いて読んでいただきたい。

 子どもの定義。それを、この本を通じて今一度考え直す機会としていただければと願う。

急増する「別に」族



 私は、中学2年生になる子どもの母親だ。

 娘の学級の保護者代表や社会福祉法人の役員をしている。

 仕事や私生活でたくさんの“親”という存在に関わる。

 最近、出会った“親”のほとんどが口をそろえて言う。
「中学に入ってからうちの子、何を聞いても“別に”しか答えてくれないんですよね」

 何人かの“親”が、児童福祉活動をしているということもあってか、私に聞いてくる。
「石田さんのお子さんは家で学校のこととか友達のことを話してくれます?」

 私は答える。
「うちの子、黙ってるのは寝てる時くらいですよ」

 すると、全員がいっせいに言う。
「うらやましー!」

 その会話を聞いて、不思議に思った私は、うちを井戸端会議の拠点にしている子どもたちに問いかける。
「今の子って家で親と喋らんのか?」

 子どもたちが答える。
「口を開いたら勉強しろしか言わんし、相談したら説教されるし、ウザイから喋らん」
「ふーん、そんなもんかー」と答える私に子どもたちが言う。
「しほちゃんは違うで! だって、他の大人と違って子どもの話を真剣に聞いて行動に移してくれるやろ! エロい話もできるし」
この記事は役に立ちましたか?

役に立った
0
残り:14137文字/本文:16649文字
この記事を買った人はこれも買っています
      この記事を収録している本
      この本で最も売れている記事
      レビューを書くレビューを書く

      レビューを書いてポイントゲット!【詳細はこちら】

      この本の目次