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子どもが親に「別に……」しか言わないワケ
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くらし
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第六章 「別に」族のなれの果て

『子どもが親に「別に……」しか言わないワケ』
[編著]石田志芳 [発行]PHP研究所


読了目安時間:16分
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ヘリコプターペアレントの犠牲者



 アメリカで社会問題になっている“ヘリコプターペアレント問題”を御存じだろうか。

 それは、子どもが社会人になっても常に子どもの上にいて、司令塔になり、子どもを動かそうとする親のことを指すそうだ。

 この問題は日本でもすでに起こっている。

 16歳の子どもが書いた“まえがき”にあったように、年齢と心の大きさは比例しない。

 なぜならば、ヘリコプターペアレントが自立をさせてくれないから成長できないのだ。

 第五章で紹介した“つぶやき”を書いた子は中学校1年だ。

 読んでいただいてわかるように、世間の大人がイメージする中1の文章にしては幼い。

 幼い文章表現にもかかわらず「死」への願望が何度も出てきている。

 これが、現代の混乱した子どもの心なのだ。

 作らない文章。飾らなくて良い自分。

 それを出すと、子どもは()の自分を表現する。

 そんな素を出させないヘリコプターペアレントたちが連呼する言葉。
「もう○○歳なんだから大人になりなさい」
「もうお姉ちゃん(お兄ちゃん)なんだからしっかりしなさい!」

 この“もう○○なんだから”に潰されている子どもたちがどれだけいるだろう。
“つぶやき”にもあったように、弟ができて、お姉ちゃんになっても甘えたいのだ。

 まだ子どもなのだ。

 そんな気持ちを無視して、私の娘も潰れそうになったことがある。

 初孫だった娘は周囲の人から本当に可愛がられて育てられていた。

 しかし、私の兄に子どもができた途端、母や周囲の大人が豹変したのだ。
「お姉ちゃんなんだから我慢しなさい!」
「お姉ちゃんなんだから泣いてはダメ!」

 娘は潰れそうな心を必死で隠して笑っていた。自分を支えるために朝から晩まで働く私の姿を見て、気をつかい我慢をしていたのだ。

 ある日、実家に娘を迎えに行くと、母の叫び声が聞こえてきた。
「もうお姉ちゃんなんだから泣くな!」

 私は駆け込んで母を怒鳴りつけた。
「もう○○なんだからって言葉は使わないようにと約束したから信じて預けてたのに!」

 母は慌てて言い訳をする。
「たまたま口が(すべ)っただけでいつもは言ってない」

 私は娘をすぐに自宅へ連れて帰り、「我慢をしていなかったか」と聞くと同時に(さと)した。
「我慢なんてしなくていい。お前の心はママが守るから、正直にずっと辛かったことを話してごらん」

 娘が泣きだした。

 小学校5年生の頃だった。
「ずっと我慢してたんよ! みんなが、もうお姉ちゃんだから我慢しろって言うんよ!」

 辛かった。子ども心に母を気づかい、必死で我慢をしていた娘の気持ちが痛かった。

 私は決意をした。

 仕事は最低限に抑え、極力、母には預けない。

 まずは母に話をつけることにした。

 孫に会いたければ二度と「もう」という言葉を口に出さないこと。

 周囲の大人たちにも言わせないこと。
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