『起業5年目までに知らないとコワイ 資金繰りのキホン』
[著]山口真導
[発行]すばる舎
資金繰り改善2つめの原則は、キャッシュ・インを早くすることである。
本書では、キャッシュ・インを早くするテクニックを具体的にお伝えしよう。
【難易度★☆☆】【インパクト★☆☆】【即効度★★★】
◆〈都度発行〉が理想
キャッシュ・インを早くするために最も簡単にできて、最も即効性のあるものが「請求書の即時発行」です。
なぜなら、商品・サービスを提供しているのに、請求書を発行していないということが、時々発生するからです。こうやって資金繰りの本を書いている私自身でさえも、過去に請求書を出し忘れて、結局代金をもらえなかったことがあるくらいです。
毎月、月次決算を行い、棚卸しを実施している会社であれば、請求書の発行漏れは、利益率の突然の低下という形で見つかることもあります。
しかし、売上が増えれば増えるほど、こうした方法で間接的に請求書の発行漏れを検知することは難しくなります。請求書を出し忘れる原因は、たいていの場合、「後で出せば良い」という気の緩みに起因します。また、「請求書は月末締めでつくるものだ」という固定観念も原因の一つでしょう。
しかし、キャッシュ・インを早くするためには、商品の販売が終了する都度、サービスの提供が完了する都度、請求書を発行することが必要です。
たしかに、一度につくったほうが効率は良いですが、〈都度発行〉により請求漏れが防止できるなら、多少の非効率を受け入れる余地は大いにあると思います。
◆請求書を即時発行する方法
とはいえ社長は営業で多忙だし、請求書を即時発行するのは容易ではないという人もいるでしょう。
そんな社長が、即時発行を実現するために、最近流行りのクラウド型の請求書発行システムを利用するという方法があります。
通常、こうしたシステムは、見積書の作成からできるようになっていて、請求できる段階になったら、見積書のデータを元に、ほとんど入力作業をせずに請求書を発行できます。
クラウド型の利点として、スマートフォンやタブレットからメールで請求書を送ることもできますし、サービスによっては印刷して郵送を代行してもらうことも可能です。お客様先からの帰り道に、スマートフォンから請求書を送付する。IT化の進んでいる会社はすでにそういう状態になっています。
ちなみに、私がお勧めするクラウド型の請求書システムには、次のようなものがあります。最終的にはご自身の判断で利用してください。
・misoca http://www.misoca.jp/
・Make Leaps http://www.makeleaps.jp/
◎知ってて安心! 27
都度発行は理想ではなく現実に実行できる