『タレントだった僕が芸能界で教わった社会人として大切なこと』
[著]飯塚和秀
[発行]ゴマブックス
ここが、僕たちのクラスなのか
代表の強烈な話で、僕は完全にノーガードでストレートパンチを食らったような、クラクラした精神状態になってしまったようです。その後も入所式は続いたものの、すでに頭の中は真っ白……。気づけば目の前にはまた、式の進行役である全身黒づくめの女性が壇上に立っていました。
「では、これにて入所式は終了です。これからスタッフに各クラスへと案内してもらいます。指示されたとおり移動してください」
この人の甲高い声は妙に気に障る。まるでカラスみたいだな、などと思いつつ、右も左もわからないまま、このカラスのような女性に案内され、僕は「B」と表示された部屋へと移動しました。
そこには僕とおなじ年代と思われる男女20人ほどが案内されました。そうです。ここが、僕がこれからタレントになるための育成を受けていくクラスだったのです。
これから毎週1回、同年代の同僚たちと一緒に、2時間のレッスンに参加することとなります。教室の中はみんな高校生って感じで、普段通っている学校とおなじような気がしました。