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本当にコワい? 食べものの正体
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2 チキンナゲット

『本当にコワい? 食べものの正体』
[著]中川基 [発行]すばる舎


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■鶏丸ごと粉砕はウソ。正体は商品にならない胸・もも以外の肉

■定義はなく、「鶏肉味で骨のない唐揚げモドキならOK」

■添加物や製造法は問題ではない。大事なのは栄養バランス


●ピンクスライムがナゲットの材料?



 多くの人が疑問に思っているであろう、あの人気の食べもの。チキンナゲットの話をしましょう。


 チキンナゲットと言えばピンクスライム問題というくらい、チキンナゲットは謎のピンク色のスライムのようなものでつくられているというネット特有の都市伝説があります。


 通称「ピンクスライム」と言われるものは、実際に食肉加工の現場で発生するもので、豚や牛、鶏の主要な肉を取り去ったあと、骨にまだまだこびりついた肉を、高圧洗浄機のようなものでそぎ落としたものが材料になります。


 当然大量の水で肉をそぎ落としたものなので、食感などはなく、血液や髄液も大量に混ざるため臭いもいいとは言えず、一見ドロドロの肉泥といったものです。


 多くはドッグフードなどエコフィード(リサイクル飼料)的利用に留まっていたのですが、現在は品質向上のための添加物をうまく使うことで、廉価なハムやミートボールなどにつくり替えられているというのは、「添加物キケン!」と叫ぶ本の通りです。


 豚肉・牛肉は、そういった加工食品としての未来がありましたが、鶏肉の場合はどうなるのでしょう?


 その答えの1つがチキンナゲットなわけです。


●もも肉でもない胸肉でもない肉



 アメリカを始め、中国、ブラジルでは軽く日本の10倍以上の規模でブロイラー、いわゆるチキンが生産されています。


 この方法は「インテグレーション養鶏(繁殖から精肉まですべてを1つの企業が1カ所に集積して、ベルトコンベア式に行なえるシステム化された養鶏)」と呼ばれるシステムで、特に近年ブラジルで盛んになっています。スーパーで国産の1/3程度の価格で、ブラジル産鶏肉が並んでいるのに気がついている人も多いことでしょう。


 この鶏肉の大量生産とチキンナゲットには、深い関係があります。


 スーパーに並んでいる鶏肉は「胸肉」と「もも肉」が大部分であることに気を向けると、チキンナゲットの正体が見えてきます。


 こうした胸肉やもも肉以外の部分、つまりササミや手羽先、手羽元などを使用しているわけですが、明らかにそれだけでは大量のチキンナゲットは生産できないはず。


 それ以外を取り除いても、首周りや、残りの骨周りにもかなりの肉が張りついた状態になっています(「鶏ガラ」として売られているものを見ると、思った以上に肉が残っていることからも、この意味がわかっていただけるでしょう)。


 こうした肉を材料の一部として、食べやすく加工したものがチキンナゲットとなるわけです。


 一部では、鶏を丸ごと粉砕し消毒したものがピンクスライムとして出ている、なんて話がありますが、技術的には可能でも、せっかくの丸鳥を儲けの少ないものへ加工する理由はないため、これは都市伝説と言えます。


●チキンナゲットの正体は多種多様



 さて、このチキンの端材とも言うべき肉を利用して、どのようにチキンナゲットがつくられるのかというと、ここから先は各社千差万別となります。


 つまり、鶏肉味の骨のない唐揚げモドキであれば、全部「チキンナゲット」と呼べるわけです。


 例えば1つの製法では、先ほどの端切れ肉をチキンエキスに加工して、それを大豆タンパクと混合し、大豆タンパクをベジタリアン向けの代用肉と同じような技術で繊維化、それをプレス成形して、衣をつけたものを提供している場合もあります。これは原材料欄を見れば、早々に「大豆タンパク」や「大豆」といった表記が入るので、一目でわかります。


 また、別の製法では、チキンの端材をそぼろのように熱処理加工し、それを結着剤(肉と肉をつなぐゼラチンや酵素など)と共にプレスして成形することで、鶏肉のような繊維を生み出しています。真っ二つにしてみて、鶏肉とは思えないほど細かい繊維が走っているものは、そうしてつくられるようです。


 またこうした肉を鶏ガラごとペースト化して、カニカマボコのように繊維化再成形することでつくられるものもあります。


 最近は、ササミなどの脂身の少ない身をほぐしたものに、脂の多い皮をすりつぶしたものを各種薬品でつなぎ止めたタイプのものが多いようです。


 結果的に中身がどうであれ、こういったものがチキンナゲットと名乗れるのは、チキンナゲットというもの自体のJAS的な取り決めが存在しないからで、外見とは異なる千差万別の中身の商品が数多くあるという状態になっているわけです。



●食品添加物はただのスケープゴート



 さて、こういった話をすると、「だから~は悪いんだ」とか「~は食べないほうがいい」という話が出てきます。


 こうした加工技術自体を悪とするのは、無駄を出さない食品加工の技術を根本的に否定することで、論点さえずれてしまいます。


 別段主食となるようなものでもないものに、善し悪しをつけて食べないように啓蒙するのは、ただの営業妨害でしかないでしょう。


 私自身、色々なところで言っていることなのですが、添加物が悪いのではなく、添加物が「簡単に栄養豊富なおいしい味」をつくり出せてしまうところが、いい面でも悪い面でもある、諸刃の剣の側面です。


 カロリーばかりの粗悪な食べものでも、添加物を使えば新鮮で栄養豊富な味をつけることができてしまいます。そうした薄っぺらい食品に囲まれてしまうと、カロリー過多なのに栄養不足になってしまう……。


 しかし、このカラクリにさえ気をつければ、少なくとも安全性という意味では添加物は気にする問題ではありません(ただし、ブロイラーに関しては、残留ホルモンという点でやや疑問が残りますが)。


 添加物の毒性なんて完全に誤差の範囲だと思えるぐらい、塩分過多や肥満のほうが遙かに危険性がハッキリしていますから、そのリスクを添加物というスケープゴートに惑わされてしまうことこそ、まさに一部の企業の思うつぼなわけです。


 そうした情報に惑わされず、栄養価のバランスのよい食事を摂るよう気をつけたいものです。


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