『本当にコワい? 食べものの正体』
[著]中川基
[発行]すばる舎
■正体はただのアミノ酸
■やり玉に挙げられるグルタミン酸Naは、トマトにも大量に含まれる
■うまく使えば、安い食材をグレードアップできる上、減塩効果もある
●人工的につくられたから体に悪い?
うま味調味料、ちょっと前までは化学調味料と言われており、なんとも不気味な印象を与える名前です。
PART1でも出てきましたが、グルタミン酸ナトリウム、グアニル酸、イノシン酸……そうした聞き慣れないカタカナが並ぶと、よけいに得体が知れないと感じるでしょう。
「うま味調味料なんて、化学的に合成されたものだから子どもには食べさせたくない」
「味が嘘くさいでしょ。それに体に悪いんじゃないの?」
なんて考えのお母さんは多いようです。
確かに味の素をはじめ、うま味調味料と言われるものは、得体の知れない白い粉です。
スーパーでは、申し訳程度に味の素やだしの素が売られていますが、実際の所、ほとんどのお菓子はもちろん、安い醤油などの調味料、焼き肉のタレ、カップ麺、そして外食で食べる食品には、ほぼすべてになんらかのうま味調味料が使われています。
外食産業では、素材の味の悪さを誤魔化すためにも活躍してしまうわけですが、たったひとつまみの添加で、料理に奥深い味を追加することができてしまうからこそ、うま味調味料のみで料理が構築されてしまうこともありえます。