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<喧嘩とセックス>夫婦のお作法
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生き方・教養
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第四章 家事ハラ夫婦は仲がいい

『<喧嘩とセックス>夫婦のお作法』
[著]おおたとしまさ [発行]イースト・プレス


読了目安時間:35分
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夫の家事を奨励するつもりが大炎上


 二〇一四年には「家事ハラ」騒動というのがありました。ことの発端は某住宅メーカーが「家事ハラ」というキーワードを打ち出して、CMを放映したこと。夫婦で家事がしやすい家造りを通して、本当の「共働き」家族を考えようというキャンペーンでした。


 その住宅メーカーが唱えた「家事ハラ」とは、「やり方が違う」など妻から夫への家事のダメ出しのこと。ある調査によると、「家事を手伝ったことがある夫=九三・四%、家事ハラを受けたことがある夫=六五・九%、家事ハラによりやる気をなくす夫=八九・六%」という結果だったようなのです。家事について妻からダメ出しをされてやる気をなくした経験のある世の夫たちの溜飲を一瞬下げました。


 たしかに妻の余計なひと言が家事や育児をしようとする夫のやる気を損なうことはありますし、そういう余計なひと言を言ってしまうという行為自体はよろしくありません。しかし、「こんなことを言われるからやる気をなくすんだよ」と妻のせいにして開き直るのは大人げありませんでした。


 その後この「家事ハラ」というキーワードが大炎上を起こしたのです。

「夫も家事は自分でやる前提」で、「ダメ出しの仕方をちょっとは考えてよ。あんまり言われるとやる気なくなっちゃうよ」というのが「家事ハラ」キャンペーンの主旨だったはず。しかし、世の中の反応は、「夫は家事をやっていない前提」で、「ダメ出しされるから僕たちはやる気をなくして、だから家事をやりません」というダダっ子みたいな男性に対する批判になってしまいました。


なぜ男はいくつになっても「小四レベル」なのか


 家事ハラ騒動のあと、「家事もセックスもほめてあげないとうまくならない。男はいつまでたっても小四なのか」という主旨の記事がネットで話題になりました。男性としては耳の痛い話ではありますが、この指摘は当たっていると男性ながらに感じました。主旨は、「一般的な女性を基準にすれば、一般的な男性のモチベーション構造は小学生並みである」ということ。多少大袈裟かなとは思いますが、基本的にはその通りなのです。


 だからといって「ほめてもらえなければ男は伸びない」とか「うまくほめてあげることができない女が悪い」というような、「責任のなすりつけ合い」をしたいのではありません。本来受け入れがたい“違い”を受け入れるためのひとつの手段として、「男性の精神年齢は小四くらい」と思ってあげたほうが、結局女性にとっても楽という“心構え”をいっているのです。「損して得取れ」みたいな提案です。


 ただし、気をつけてほしいのは、男性のコミュニケーションパターンが女性から見て未熟だからといって、すべてのことにおいて、「男性=小四レベル」ではないということです。


 たとえばインド人が指で食事をするからといって、インド人はみな赤ちゃんレベルと思う人は、少なくとも現代の日本にはほとんどいないでしょう。インドの文化をみんな知っているからです。日本人だってかつては、箸を使っていることで文化レベルが低いと西洋人からは見なされた時期がありました。しかしそれが日本の文化だと知れ渡ってからは、今やそんな風に箸の文化をバカにする西洋人は少ないはずです。


 自分の文化を基準にして考えると、異文化が劣っているように見えることがあります。しかしそれは単なる“違い”であり、“優劣”の問題ではありません。


 男性が女性よりも単純なやる気スイッチをもっているというのも、だからこそ、一見無意味なことにも一生懸命になれるメリットがあると言い換えることができます。


アダムはイブからつくられた!?


 生物学者・福岡伸一博士の『できそこないの男たち』(光文社)には次のような話が出てきます。

「地球が誕生したのが46億年前。そこから最初の生命が発生するまでにおよそ10億年が経過した。そして生命が現れてからさらに10億年、この間、生物の性は単一で、すべてがメスだった」

「生物の基本仕様としての女性を無理矢理作りかえたものが男であり、そこにはカスタマイズにつきものの不整合や不具合がある。つまり生物学的には、男は女のできそこないだといってよい」


 その本によると、生物学的に考えれば、アダムからイブができたのではなく、イブからアダムができたらしいのです。つまりメスが先にありき。もっといえばメスこそが種の源であり、オスはメスを補助する役割として創造されたというのです。「ママの遺伝子を別の娘に届ける」運び屋として!


 しかし、ただ運び屋として利用するだけではもったいないということで、メスはオスにいくつかの付加価値を求めました。外敵から身を守ることだったり、食料を取ってくることだったり、前人未踏の危険な土地を冒険させてもっと住みやすいところがないかを探させたり……。邪魔にならない程度に子育ても「手伝う」ようになりました。要するに、オスはメスのパシリとして創造されたわけです。


 種として見れば、メスがいかに上手にオスを使いこなすかが、その繁栄に大きく関わるということです。


 そのために、そもそもオスは、メスにとって「扱いやすい」ように設計されているようなのです。


オスはけなげな生き物


 さらに、京都大学の総長・山極寿一博士の『家族進化論』(東京大学出版会)によれば、ゴリラのように屈強なオスのボスザルがハーレムをつくり君臨しているのも、結局はそのほうがメスにとって都合がいいかららしいのです。


 逆に、ニホンザルのように、ボスザルはいても、複数のメスと複数のオスが群れを形成している種では、オス同士の緊張が増さないように、普段メスはとりあえずボスザルと交尾をするけれど、妊娠の確率が高い時期にはボスザルの目を盗んで好みのオスと交尾するそうです。


 すべては女性の手中にあるのです。つまりもともとオスは、メスの手のひらの上で転がされるようにできているのです。人間も同じと考えていいでしょう。


 最近の人間社会では、オスがやたらと威張っているように見えますが、実はきっと、外敵から身を守ることだったり、食料を取ってくることだったり、前人未踏の危険な土地を冒険してもっと住みやすいところがないかを探すことだったりを、メスから命じられてがんばっているだけなんですね。


 ちなみに日本でも江戸時代までは、男性が子育てに大きく関わっていました。西洋人が見てびっくりするほどに、日本男児はイクメンだったらしいのです。

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