夢と目標というのは、日常の会話ではその境界を曖昧にしたまま口にしがちだが、厳密には異なる概念である。
まず目標というのは、きわめて具体的でなければならない。しかも達成しなければ意味がないのだが、通常は達成までの期限が定められているので、限られた時間でどうやってゴールに到達するかを詰め将棋のように考えて行動することを人に余儀なくさせる。つまり目標があると、人は目的合理的に動こうとするのである。
これに比べて夢には具体性は必要ない。達成期限もなければどうやってそこに近づけばいいのか、その道筋すらわからない場合がほとんどだ。こうなればいいなと漠然と思いを馳せるのが夢である。