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「ダメ!」を言わなければ子どもは伸びる 子育てがもっと楽になる本
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くらし
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子どもは四六時中、叱られている

『「ダメ!」を言わなければ子どもは伸びる 子育てがもっと楽になる本』
[著]親野智可等 [発行]PHP研究所


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「近頃は子どもを叱らない親が多すぎる」
「親が子どもを叱らないからダメなんだ」

 こういう意見をよく耳にします。たとえばテレビで、コメンテーターといわれる人たちが10人いれば、9人はこう言います。

 でも、私はこのような苦言を聞くたびに「この人は現実を知らないな」と思わざるを得ません。なぜなら、現実はまさにこの逆だからです。

 親たちは毎日、本当によく叱っています。そして、子どもたちは毎日、本当によく叱られています。

 私が教えた子どもたちの中にも、よく叱られる子がたくさんいました。ある男の子は、朝起きるところから叱られます。
「何時まで寝てるの! さっさと起きなきゃダメでしょ。なんで自分で起きられないの。毎日毎日同じこと言われて」

 朝の目覚めがこれではつらいと思います。そして、これがさらに続きます。
「さっさとご飯食べなきゃダメでしょ」と叱られて、ご飯を食べていると「顔は洗ったの? 顔が先でしょ」と叱られます。

 あわてて顔を洗っていると、「水こぼしちゃダメでしょ」「タオルくしゃくしゃにしないの」「いつまで顔洗ってるの。さっさと食べなさい」と叱られます。それで、急いで食べていると「ちゃんと()まなきゃダメでしょ」と叱られます。
「足をぶらぶらさせない!」「肘をついちゃダメでしょ」「お(はし)をちゃんと使いなさい」「好き嫌いしちゃダメでしょ」「テレビばっかり見てるじゃない」「お箸が止まってるでしょ」「けんかするんじゃない」「ほら、またこぼした」「早くしなさい。またお友達待たせて」

 食べ終わってからも、「お茶碗くらい運べないの?」「ほら、歯磨き。何のんびりしてるの! 時計が見えないの?」と叱られます。

 よせばいいのに、子どもはこういうとき学校からのお便りを見せたりします。「なんで朝出すの!」と叱りつつ、親がよく見ると昨日締め切りのアンケートだったりします。それで、また「何なの、これ! 締め切り過ぎてるでしょ! お母さんが恥かくでしょ」と叱られます。

 こんな状態のとき、「今日○○がいる」と言ったりする子もいます。これでまた叱られます。
「さっさと学校行きなさい」と追い出されて、「行ってきま〜す」と家を出たら「戻ってこ〜い」と呼び戻されます。何だろうと思って引き返すと、「『行ってきます』の声が小さい。朝は明るくさわやかに!」と叱られます。
「無理だな〜」と思いますが、親は本気で言っているわけです。

 ところで、私は見てきたようなことを書きましたが、これはある男の子が朝のスピーチで言ったことをそのまんま書いたのです。

 このスピーチは子どもたちに大ウケで、教室中が爆笑と共感の嵐でした。「僕も言われてる」「うちとおんなじ」「私も言われてる」と、子どもたちが口々に言いました。それで、この子のスピーチはシリーズで1週間続いたのです。

 これは朝の話でしたが、学校から帰ってからもやられます。「また宿題やってない。なんで自分でできないの。どんどんやらなきゃダメでしょ」といった感じです。

 宿題で叱られ、夕食で叱られ、片づけで叱られ、お風呂で叱られ、テレビで叱られ、ゲームで叱られ……。

 また、これは私が見た光景ですが、近所の歯科医院の待合い室でのことです。あるお母さんが二人の女の子を連れて来ていました。上の子が3、4歳で下の子が2、3歳です。お母さんは絵本を二人に読み聞かせていました。でも、読み聞かせをしながら叱っているのです。
「○○ちゃん、モゾモゾしないで聞かないとダメでしょ」「ほらほら、お姉ちゃんのほうに寄っちゃダメでしょ」「□□ちゃん、そこを持っちゃうと○○ちゃんに見えないでしょ」「○○ちゃん、なんでちゃんと座ってられないの!」

 こういう感じで、読み聞かせをしながらずっと叱っているものですから、近くにいた私までも落ち着かない気持ちになりました。

 また、あるときは、新幹線の中でお母さんが小学3年生くらいの男の子をずっと叱っているのを見ました。
「静かに座ってなきゃダメよ」「なんで、バッグを締めないの。ちゃんと締めなきゃ中の物が落ちちゃうでしょ」「お行儀よくするって言ったよね。○○君、もう新幹線乗れないね。かわいそうだね」

 そして、子どもが「喉かわいた〜」と言ったとき、「もう連れて来ないよ!」ときつい口調で言いました。そうしたら、子どもが床をドンと踏み鳴らしました。それで、また、お母さんが「何やってるの!」と叱りました。

 私は近くで見ていて切なくなりました。子どもが床を踏み鳴らす気持ちが痛いほどわかったからです。

 歯科医院で見たお母さんも新幹線で見たお母さんも、肯定的な言葉は一回も発しませんでした。すべて否定的な言葉でした。これでは子どもはたまりません。

 このように、子どもたちは毎日じつによく叱られています。これをお読みのみなさんの中にも、心当たりのある方が多いはずです。

 程度の差こそあれ、かなりの親たちがこういう状態でいます。そして、それについて何の疑いも感じることなく、当たり前のこととして日々を過ごしています。

 つまり、「近頃は子どもを叱らない親が多すぎる」「親が子どもを叱らないからダメなんだ」というのは当てはまらないのです。

 現実はまさにこの逆です。少ないのは子どもをほめる親です。ましてや、ほめ続けられる親は極めて少ないと言わざるを得ません。

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