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「ダメ!」を言わなければ子どもは伸びる 子育てがもっと楽になる本
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あとがき

『「ダメ!」を言わなければ子どもは伸びる 子育てがもっと楽になる本』
[著]親野智可等 [発行]PHP研究所


読了目安時間:6分
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あとがきに代えて――親が変われば子どもが変わる

 昔から、多くの親子を苦しめてきたのが「しつけ」という考え方です。そして、今も、それによって苦しんでいる親子がどれだけいるかしれません。

 多くの親たちが、「しつけをしなければ」という一種の強迫観念にとらわれています。「しつけ強迫神経症」とでもいうべきものが蔓延(まんえん)しています。

 そして、そういう親たちがよく口にするのが「人に迷惑をかけない子に」とか、「どこに出しても恥ずかしくない子に」という言葉です。この二つが子育ての一番のモットーになっている親たちが、たくさんいます。

 私が受けた相談の中でも、この言葉を口にする親たちがとてもたくさんいます。子どもが、この頃親や先生の言うことをまったく聞かなくなってしまった……。やってはいけないとわかりきったことをやってしまう……。

 こういう相談をする親たちは、かなりの割合でこの二つをモットーにしてきた人たちなのです。その割合は驚くほど高いのです。
「人に迷惑だけはかけるな」と口を酸っぱくして言ってきたのに……。どこに出しても恥ずかしくない子にしようと、一生懸命しつけてきたのに……。でも、その結果は望んでいたものとまったく反対になってしまった……。あれほど毎日言ってきたのに……。

 そういう親たちの声をたくさん聞くうちに、私はそこに相関関係があることに気がつきました。「人に迷惑をかけない子」や「どこに出しても恥ずかしくない子」にしようという思いが強くなるほど、その結果が反対になっていることに気がついたのです。

 そして、その理由もすぐ思い当たりました。つまり、この場合は、次のような言い方が多くなるのです。
「散らかしてはいけません。片づけなさい」
「のろのろしていないで。早くやりなさい」
「騒いではいけません。静かにしていなさい」
「みっともないことをしないで。行儀よくしていなさい」
「恥ずかしいことをしてはいけません。大人しくしていなさい」
「弟をいじめないで。お兄ちゃんらしくしなさい」
「字が雑ではいけません。丁寧に書きなさい」
「わがままを言わないで、がまんしなさい」
「甘えてはいけません。自分で何でもやりなさい」
「そんなことしてると、人に迷惑だよ」
「そんなふうだと、恥ずかしいでしょ」


 このように、「○○してはいけない」「○○でなければいけない」「○○しなさい」などの言葉が多くなるのです。そこにあるのは、その子の短所や欠点にばかり目を向けてそれを直すという発想です。その子のいいところに注目してそれを伸ばすなどという発想は、これっぽっちもありません。

 この場合、親は子どもを今のうちに直してやろうという強い思いで臨みます。するとガミガミ叱ることが多くなり、子どものいい面を見られなくなります。いくら叱っても効果がないので、さらにひどい言葉や人格を否定するような言葉をぶつけるようになります。

 子どもはいい自己イメージが持てなくなり、自分はダメな子だと思いはじめます。親に愛されていない、受け入れられていないと感じるようになり、他者信頼感が持てなくなります。

 そして親の言うことも聞かなくなります。

 このような子育ては、減点主義の子育てであり、マイナス思考の子育てです。子どものありのままを受け入れない子育てであり、目の前の子どもを否定する子育てです。

 この対極にあるのが、加点主義の子育てであり、プラス思考の子育てです。その場合、親から子どもに向けられるのは、次のような言葉です。
「あなたにはいいところがいっぱいあるよ」
「自分のいいところをどんどん伸ばすんだよ」
「それが自分のためにも、みんなのためにもなるんだよ」
「自分も楽しく生きて、みんなの役にも立てるんだよ」

 そして、これが子育ての一番のモットーでもあるのです。この場合、親は、子どものいいところを見つけてそれをほめます。

 子どもが気づいていないことまで見つけて、ほめて伸ばします。子どもが苦手なことがあったら、直せるように手助けします。

 ガミガミ口で叱るだけでなく、原因を探り、それを解決する合理的な方法を工夫します。

 それでもなかなか直らないことには、目をつむります。

 親子で努力しつつもできないことは許します。その分、いいところを見つけてほめて伸ばします。いいところをどんどん伸ばしていけば、苦手なところが目立たなくなることを知っているからです。

 これは、子どものありのままを受け入れる子育てであり、目の前の子どもを肯定する子育てです。
「あなたは今のあなたでいいんだよ」「今のあなたが大好きだよ」というメッセージにあふれているのです。

 この場合、親も子も毎日楽しく過ごすことができます。子どもは親に愛されている、受け入れられていると実感し、心がとても満たされています。

 ほめられているので自己イメージもよくなり、自分に自信を持てます。当然、明るく元気に育ち、素直で賢くなります。そして、当然、人を思いやる優しい子になります。

 守るべきルールも守りますし、親の言うこともしっかり聞きます。「人に迷惑をかけない子に」とか、「どこに出しても恥ずかしくない子に」などと言わなくても、自然にそうなるのです。しつけは自然にできるのです。

 まったく、これは大いなるパラドックスです。しつけようとすればしつけられず、しつけようとしなければしつけられるのです。

 さて、あなたの子育てと教育はこの二つのうちのどちらですか? 今までこの二つの違いを考えたことがない人も多いと思います。今まで無自覚に進めてきた人も多いと思います。

 今、ここで立ち止まって、自分はどちらかを考えてみるのは大いに意味のあることではないでしょうか。

 無自覚に進めている場合、自分の親の子育てを無意識的に引き継いでいることが多いようです。または、自分の性格に従って行っていることも多いようです。

 でも、これからは、自覚して進めるようにしてほしいと思います。もちろん、自覚して、加点主義、プラス思考のほうで進めてほしいわけです。性格だから仕方がない、などと言っている場合ではありません。

 なんといってもわが子のためなのですから。大人が本気で自覚すれば、かなりのことができるのです。

 子どもを変えるより、まず、自分を変えることが大切です。そもそも、自分とはまったく別の人間である子どもを、変えようという考え自体がおこがましいのです。

 人を変える権利など、そもそも誰にもないのです。人にできるのは自分が変わることだけです。それによっていい影響がじわじわ表れ、それによって子どもが変わるのです。

 あなたが変われば子どもも変わります。

 子育てという得がたい機会を活かして、あなた自らが成長していきましょう。子どもとの10万回のやり取りが、あなたを磨いてくれます。そして、親子ともども幸せになってください。
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