『不寛容社会』
[著]谷本真由美
[発行]ワニブックス
このような日本人の均質性は、実は日々の生活のなかでの余計な「正義感」の発動にもつながってしまっています。
例えば日本の職場においては、些細な間違いや違いを指摘することが「正義」だと思い込む人が少なくありません。
始業時間に5分遅れた、メールを半日以内に返信しなかった、書類を置く場所が10センチずれている、ロッカーのドアを閉めていない、印鑑を押したら5ミリずれていた、おみやげのお菓子を回す順番を間違えたなどなど――均質性を求めるあまり、誰もが同じルールに従うべきだと思い込んでしまっているのです。