『子どもを救う・守る・死なせない☆必須教科書 『いじめ』は2学期からひどくなる!』
[著]佳川奈未
[発行]ゴマブックス
「魔の2学期」のストーリーは、すでに1学期に決定してしまうという恐怖
「いじめは2学期からひどくなる!」
このことは、学校の先生、親、まわりの大人たち、クラスの仲間に、しっかり覚えておいてほしいことです。
もし、1学期に自殺せずに耐えたとしたら、まちがいなく、2学期にはもっと残酷なことがあるか、殺されてしまいかねません!
これこそが、いじめの典型的なパターンであり、いじめの実態の事実です。そして、怖いことに2学期は、毎年きます! 小学校、中学校、高校において、どの学年にも、必ずやってくる「場面」なのです!
そのたびに、被害者は出るのです!
まず、1学期は、「偵察の時期」です! 新しい学年、新しいクラスになったことで、「このクラスはどんなムードだろう」「この人たちは、どんなことを言い、どんなふるまいをする人だろう」と、誰もが自分なりに、みんなの様子を見ているものです。
けれども、最初のうちは、自分がそのクラスに慣れることに必死なものです。
ところが、3週間も経つか経たないかで、そのうち、「どの子が優等生か」「どの子が運動音痴か」「どの子が力を持っているのか」「どの子が弱いのか」などと、さまざまなことが、なんとなくわかってくるようになります。
そして、その頃、いじめの種を持っている子たちによって、いじめるのにもってこいの「ターゲット」とされる子が、選ばれてしまうのです! 「目をつけられる」ということです!
ターゲットにされる子は、いじめっ子による身勝手な理由と条件、ただ単に、いじめやすいムードがあると感じとられてしまうことで、一方的にえじきにされてしまうのです!
そうやって、1学期のあいだに、ターゲットとされてしまうと、そこから悲劇の運命が始まってしまうわけです!
このことは、わたし自身や息子が受けたひどいいじめの現実からはもちろんのこと、過去のいじめでの事件などをみると、すぐにわかることです!
そして、今回のニュースでもまた、10月という時期に、つまり、「魔の2学期」に、いじめによる悲惨な事件が起こり、ひとりの尊い子どもの命が失われたのです!
こんなことは、もう二度と、起こってはいけないことです!!
それを防ぐすべは、いじめられている本人には、ありません。その理由は、これから述べていきますので、しっかり把握し、ご理解いただけることを願います。
いじめられている本人に、「誰かに相談すること」も「そこから逃れること」もできないようにと、いじめが陰湿なやり方でしくまれてしまう限り、救いのすべは、先生、親、まわりの大人たちにしか、ないのですから。
サポートすることが可能な場所にいて、「その子どもを救いたい!」「より良い方向に導きたい!」と、思わないのであれば、なんのために大人がいるのでしょうか。