ある食堂で、「ホットケーキできますか?」とウェイトレスにたずねたところ、「ます」と答えたという。やがてできてきたホットケーキを持ってきた彼女、
「ホットケーキさん、どちら?」
「俺だよ」
と、問答があって、とうとうミスター・ホットケーキにされてしまった話があります。
「かもね」「らしいわ」「そのようよ」「じゃあね」「ホント」「まあね」……ことばのミニスカート化は女の子たちのあいだで特に目立ちます。時代のテンポの流れの早さや、よろず機械化・合理化の世潮とことばの変遷とは無関係ではないと見えて、ことばはどんどんミニ化・略化されてゆきます。
ベ平連・ベア・ハイテン反対・アンポン(経済安定本部)・オチケン(落語研究会)・シッタイ(失業対策)・シンケイ大(神戸経済大学)などなど、まるでことばの符牒化のような、極端なミニ化、省略化は、ことばを大切にする精神からいって全くどうかと思われるのです。