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『ネコにウケる飼い方』
[著]服部幸
[発行]ワニブックス
キャットフードは必ずラベルをチェック
キャットフードは、いつでも好きなときにネコの食事を提供できる大変便利なものです。手間がかからず、量の調整も簡単、種類も豊富で、飼い主さんにはありがたい存在だと思います。
じつはネコにとっても、キャットフードはありがたい存在なのだろうと思います。
1970年代にキャットフードが普及し始めるまでは、ネコのごはんといえば人の食事の余りものがほとんどでした。ごはんにカツオ節をまぜたり煮干し入りの味噌汁をかけただけの、いわゆる「ねこまんま」も多く、ネコが必要とする動物性タンパク質はとてもそれだけでは足りませんでした。不足する分は、家の外で虫や鳥、トカゲ、ネズミなどを捕食して補っていたのだろうと思います。
キャットフードの登場により、ネコは家で出される食事だけで必要なタンパク質や栄養素を補えるようになり、外で狩りを行う必要性は薄れていきました。暮らしている家から出ることなく、飼い主さんとの暮らしだけで生きていけるようになったのです。同時に、室内飼育が定着したことで病気の感染や交通事故、けんかによるケガも減り、家の中だけをなわばりとして、のんびり平和に過ごすネコが増えました。
そのキャットフードですが、何でもいいというわけではありません。
飼い主さんのなかには、フードの目的や成分などをよく吟味せず、「ネコがよく食べるものをあげている」という方もいます。それだと、キャットフードだけでは栄養が偏ったり、必要な栄養素が不足してしまう可能性があります。
キャットフードの購入の際には、ラベルに注目してください。市販されているほとんどのキャットフードのパッケージには、商品名、キャットフードの目的、成分、原材料、賞味期限などが記載されています。注目すべき大事なポイントは「キャットフードの目的」です。その目的の表記には、大きく分けて次の4つがあります。
1 総合栄養食
2 一般食
3 その他の目的食(おやつ)
4 療法食
「総合栄養食」というのは、その食事と水だけでネコの必要な栄養素を満たすものです。
「一般食」というのは、その食事だけでは栄養素を満たしていないもので、必ず『総合栄養食と併用してお与え下さい』というような記載がされています。一般食だけを食べていると栄養が偏ってしまうので、これを主食にすることはできません。
「その他の目的食(おやつ)」は名前のとおり「おやつ」として補助的に与えるもので、主食には不向きなものです。