読みたいトコだけ買える本。
犬耳書店
初めての方へ 記事一覧 無料登録 ログイン

12/21に全サービスをRenta!に統合します

(2021/12/6 追記)

犬耳書店は2021年12月21日に、姉妹店「Renta!(レンタ)」へ、全サービスを統合いたします。
詳しくはこちらでご確認ください。

0
50
kiji
0
0
1140257
0
上方学
2
0
0
0
0
0
0
歴史
お気に入りとは?

お気に入りボタンを押すとお気に入りリストにこのページが追加されます。興味のあるページ・気になったページを後から確認するのに便利です。

お気に入り お気に入り
【1】 上方は芸能のデパート

『上方学』
[著]福井栄一 [発行]PHP研究所


読了目安時間:17分
この記事が役に立った
0
| |
文字サイズ


 あれもこれも上方ブランド
「上方経済」や「上方社会」という語はほとんど耳にすることがありませんが、「上方歌舞伎」や「上方落語」ならおなじみのはずです。
「上方」は芸能と強いむすびつきをもっています。

 日本の文化史において、あまりにも根源的なのでかえって見すごされていることがあります。

 それは、上方が日本の古典芸能の淵源(えんげん)であるという事実です。

 上方発祥の芸能をあげますと、日本の古典芸能のほとんどが網羅されてしまうことに気づかれると思います。

 上方は、日本の芸能文化の尽きせぬ源泉であり、芸能のデパートなのです。
「最近は専門店ブームで、デパートははやらない」などと屁理屈をこねないようにくれぐれもお願いします。


 芸は虚と実の皮膜の間にあり
 上方文化の巨星・近松門左衛門は、
「芸といふものは、実と虚との皮膜の間にあるもの也……虚にして虚にあらず、実にして実にあらず、この間に慰みがあるもの也」

 といい残しました。

 生涯を浄瑠璃・歌舞伎の台本執筆にささげた天才の「虚実皮膜論」として有名です。
「実」偏重のあまり、役者がわたしたちの日常生活とすこしも変わらない言動を舞台でくりひろげるだけなら、だれがわざわざ貴重なお金と時間を使って、芝居など観にいくでしょうか。

 かといって、「虚」(フィクション)にはしりすぎると、ご都合主義の筋書きがまかりとおる浅薄な芝居になってしまいます。

 真実味がありながら単なる日常に堕さず、観る者に強烈な印象をのこす芝居。

 リアリティと劇性が、まざりあう摩訶不思議な皮膜の間にこそ「芸」が成立するのだ、と近松は説きます。

 おもえば、わたしたちの人生からして、虚実の皮膜の間にあるといえませんか。

 シェイクスピアもいうとおり、世界は巨大な劇場なのであって、わたしたちはその舞台で自分という役を演じる一人の俳優なのです。

 波瀾万丈というには凡俗すぎ、安穏とよぶには起伏が激しすぎる人生をわたしたちは生きています。あるときは主役として、またあるときは端役として。
この記事は役に立ちましたか?

役に立った
0
残り:7275文字/本文:8119文字
この記事を買った人はこれも買っています
      この記事を収録している本
      この本で最も売れている記事
      レビューを書くレビューを書く

      レビューを書いてポイントゲット!【詳細はこちら】

      この本の目次