『テレ東的、一点突破の発想術』
[著]濱谷晃一
[発行]ワニブックス
テレビ東京で14年間、企画のことばかり考えてきて、諸先輩方の仕事の姿勢からもあらためて思うのですが、企画を通す上で一番大切なことは明白です。
「絶対、企画を実現したい!」と強く思うことです。
「なんだ、そんなことか?」と拍子抜けするかもしれませんが、これが何よりも大事だと確信しています。
テレビ東京で企画を通しているプロデューサーの共通点は、オリジナルのアイディアで企画を作ることへの執念が尋常ではなく強いことです。
企画を考えるのはルーティンの職務ではないので、通常業務が忙しいとついつい手を止めてしまいがちです。
しかも会社にいると、企画は上層部がどこからか持ってきたりするので、もらい仕事に精を出せば上の覚えもめでたくなるものなのです。特にテレビ局の場合は、外部の制作会社や作家さん、DVDメーカーなどから企画がたくさん持ち込まれるので、自分で企画を考える必要はなかったりもします。
つまり、強い意志を持たないと企画を死ぬ気で考えることはなくなります。
「通常業務が忙し過ぎて」
「うちの会社は古い体質だから」
「なかなか企画が通る文化じゃないから」
「今は原作の時代だから」
どの会社にもいろいろ事情はあると思います。テレビ東京も例外ではありません。
でも、常に僕が心掛けているのは、「何が正解か」ではなく、「自分が何をしたいか、自分がどうなりたいか」を優先すること。正解はその後に考えればいいのです。
それが会社の一番の利益かどうかは、この際、一旦置いておきましょう。「絶対、企画を通したい!」、「自分はこれを世に出すんだ!」というエンジンがいかに強いかがすべてです。
ここで、僕のエンジンは何かを、恥ずかしながらお話ししていきます。