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『ヤセたければ走るな、食べろ! − みるみる腹が凹むズルい食べグセ −』
[著]森拓郎
[発行]ワニブックス
A タンパク質
前の項目では「食べなければ食べないほど、ヤセる」という誤解について指摘しました。とはいえ、その逆である「食べれば食べるほど、ヤセる」という原則が、必ずしも成り立つわけではありません。
タンパク質に限れば、言えなくもありませんが、糖質について言えば、食べれば食べるほど、確実に太ります。そして残念なことに、ほとんどの人が糖質を摂り過ぎているというのが現代日本の実情です。
なぜ、そうなってしまうのか。その一因として、私たちを取り巻いている飲食店が、「糖質を過剰に提供している」からということが挙げられます。
その反面、「タンパク質を過剰に提供している」飲食店はありません。提供されているのは、決まって糖質ばかり。そこにはもちろん「原価が安いから」というカラクリが潜んでいます。
糖質の過剰供給について考えてみましょう。その急先鋒は、なんと言っても「ドリンクバー」でしょう。ファミレスなどでお馴染みのサービスですね。時間も量も回数も無制限で「好きなものを飲める」というシステムです。フルーツや野菜のジュース類、ココア、さらには炭酸飲料まで、バラエティー豊かな「飲む糖質」が展開されています。
「糖質を摂り過ぎてはいけない」という認識が薄い人の場合、「全種類制覇したい」という思いに駆られることもあるようです。いくら飲んでも価格が同じなのですから、そんな安易な発想になるのも無理はないのかもしれません。
しかし私は「ドリンクバーこそ地獄」と感じてしまいます。「欲望にまかせて糖類を思う存分摂ってください」というのは、健康志向とはかけ離れています。
少し高価になってもよいので「豆からひいたおいしいブラックコーヒー1杯」をいただくほうが、幸せな気分になれるのではないでしょうか。
飲み物だけではありません。大事な主食であるごはんや麺類についても「大盛り無料」「おかわり自由」などという“闇”が存在しています。このような表示を目にした途端、まるで条件反射のように、オーダーしてしまう男性は珍しくありません。
少しでもヤセたいと願うなら、「〇〇無料」「△△おかわり自由」といったお得なサービスに飛びつく性癖から、脱却することが大切です。
もし、そうしたサービスを「平日は毎日利用している」という人がいたら、その悪習を1週間やめるだけでも、体重はみるみる落ちるはずです。そんな「極悪の食」を習慣化している人に、厳しい糖質制限なんて必要ありません。それ以前に、まずはごはんを普通盛りにするだけでも大きな進歩と言えるでしょう。急には難しいと感じるなら、山盛りにする回数を「平日5回」から「平日3回」に減らすだけでもよいのです。
少しヤセ始めたら「もっと減らそう」という積極的な気持ちも湧いてくるはず。
また、「ヤセたい」と思ったら、逆説的なようですが、「おいしさ」にこだわってみてください。「上質なものを少しだけ」という原則で食べるものを選べば、糖質などの過剰摂取は防ぎやすくなります。「高糖質メニューは、お腹がいっぱいになって気持ちがいい!」という、原始的な欲望の満たし方から、早く卒業しましょう。
もちろんお財布との兼ね合いは大切です。私だって「グルメを目指せ」と説きたいわけではありません。最低限「飲み放題」「食べ放題」とは縁を切ることを目指しませんか。