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ニュース、みてますか? − プロの「知的視点」が2時間で身につく −
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エンタメ
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はじめに

『ニュース、みてますか? − プロの「知的視点」が2時間で身につく −』
[著]杉江義浩 [発行]ワニブックス


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 今から二十年前、私はNHKで「週刊こどもニュース」という番組を池上(あきら)さんとともに立ち上げました。


 小中学生に政治や経済など大人のニュースの楽しさを伝えようという、無謀とも言える前代未聞のチャレンジでした。そもそもこどもはニュースに興味はないし、面白いと思うわけがありません。


 実を言うと企画を担当することになった私自身も、それまで「天才てれびくん」というこども番組の制作に没頭していたので、ニュースを見ても、面白いとも楽しいとも思えませんでした。



 もっと正直に言うと、それまで毎日の定時ニュースもまともに見ていなくて、スポーツニュースが終わればチャンネルを変えてしまうようなタイプの人間でした。


 そんな私ですから、まずは自分自身がニュースを楽しいと思えるようになるところから始めなければなりませんでした。


 ニュースのどこが面白いのだろう? どうやったらわかりやすくなり、こどもたちが面白く感じるのだろう?──悪戦苦闘しながらも番組を作り上げることができたのは、ある二つの事に気がついたからです。



 一つ目は、「ニュースを楽しめるか楽しめないかは紙一重」だということです。


 例えばニュースでは「官房長官」という人物がたびたび発言します。


 この「“カンボウチョウカン”ってそもそも何をする人?」という疑問を心に持っていたために、私の耳はどうやらその発言を聞くのを拒否してしまっていたようです。


 どうせつまらない話をするに違いない、という先入観のようなものができてしまっていたのです。


 池上さんから、「官房とは、昔の中国の言葉で、皇帝のそばで仕える人たちの部屋のこと。つまり総理大臣を支えている人のトップだよ」と教えられて初めて、お、それは大事な話をするかもしれない、と耳が開くようになりました。


 官房長官の話をちゃんと聞いてみると、政治について前から気になっていた問題について答えてくれていて、スーッと胸がすくような快感を覚えました。


 また例えば、ニュースでいきなり「吉田調書が……」と言われてもピンときません。


 でもそれが、「福島第一原発での事故処理の時の具体的な対応について、当時の発電所所長から事情聴取した調査委員会のメモだよ」、という一点がわかれば、急にこの「吉田調書」が身近な書類に感じられるようになります。


 原発の再稼働に賛成か反対か自分の意見を考えあぐねていた人は、大いに興味をそそられ、内容を知りたくてワクワクすることでしょう。



 二つ目は、「一度ニュースの楽しみ方を覚えてしまった人はニュース中毒になる」ということです。


 人間というのは好奇心の生き物ですから、ひとたび面白いと感じ始めたら、もう後戻りができません。面白さのあまり我慢できず自分の頭で考え始め、自分なりの考えを持ち、あとはどんどんネットや新聞、書籍などあらゆる手段を使って調べ始めます。


 今は新聞も電子配信されていますから、私なんかもちょっと気になるニュースがあるとパソコンにかじりついて離れません。それでもわからないと、今度は本屋のはしごです。それは私にとってはまさに至極の悦楽です。


 この本を読み終わる頃には、もしかするとみなさんもそんな「ニュースの楽しみ」のとりこになっているかもしれません。


 さらに重症なニュースのとりこになると、今度は自分が知ったことを他人に解説したくてたまらなくなり、うずうずし始める人もでてきます。これこそが「教養」ですからじっと自分の中に持っておくのがよいと私は思います。



 私が「週刊こどもニュース」を作り続けていて目の当たりにしたのは、この二つの事例なのです。せっかくですから具体的に人物名を例として挙げておきましょう。


 一つ目の事例、ほんの紙一重の差でニュースの楽しみに目覚め、ワクワクするようになった人の例といえば「週刊こどもニュース」の子役たちや、お母さん役を務めた女優の柴田理恵さんたちです。子役たちの中には大人になってテレビ局に報道記者として就職した人もいます。



 二つ目、ニュースの特に重症なとりこになった例、ニュースを他人にわかりやすく解説したくてたまらない病にかかってしまった人、といえば池上彰さんです。



 みなさんがどちらのタイプになるかはわかりませんが、この本を読み終える頃には、今までつまらなく見ていたテレビの定時ニュースが、待ち遠しくて仕方がないエンターテイメント番組に思え、新聞を開くだけでまるで推理小説を楽しむような気分を味わえるようになることでしょう。


 あとはニュースを楽しんでいるだけで自然と教養が身につくようになり、ビジネスに即役立つ「伝える力」も日々自然と磨かれていくことになります。



 現代は教養の時代です。教養のない人は教養のない人としか話が合わないし、教養のある人はやはり自分と同じように教養のある人と話が合います。


 類は友を呼ぶといいますが、このようにして人間関係が作られていく仕組みから、教養の有無によって人々のグループが二極化していくのが、時代の宿命とも言えます。


 みなさんの職場でも日常会話など、よく人間観察してみると、両極化していることに気づくかと思います。これからは教養のある人だけが生き残っていく時代です。



 みなさんが今まで以上にニュースを楽しんで見られるようになる一助として、本書が役立てばこれ以上の幸いはない、という思いから筆をとった次第であります。


杉江義浩

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