『天才たちの流儀 いつもの自分から抜け出す22のヒント』
[著]テリー伊藤
[発行]PHP研究所
この社会の大多数は凡人で、ごく一部だけ天才がいる───。
果たして、この図式は当たっているのだろうか。
「その他大勢」の人々は似たり寄ったりの才能と努力で、かわり映えのしない仕事や暮らしぶりをしていて、そこから抜け出すのは特別に優秀な少数の人だけ。この世は、そういう仕組みになっているのだろうか。
ズバリ、結論からいおう。そのとおり、この世の中は「才能を開花させて活躍している人」が1割で、残りの9割は「くすぶっている人」だといっても過言ではない。
じゃあ、くすぶったまま「その他大勢」にいる人が、そこから抜け出すにはどうすればいいのか。それを解き明かすのが本書の唯一の目的である。
天才とか成功者などといわれている人たちには、かならず成功した原因がある。ということは、シンプルに考えて、その原因を知れば、ほかの人でも同じように成功できるはずだ。
「そんなに簡単にいうなよ、テリー。それができれば、だれも苦労しないよ」
そういう声が聞こえてきそうだ。
しかし、本書に登場する22人の天才たちをつぶさにみていくと、「え? これなら俺にもできるじゃん」「そうか。こんな簡単なことで自分を変えられるんだ」というヒントがたくさんあることがわかってもらえるはずだ。
この22人の人たちは、生まれつきの才能というよりは「これをやったからうまくいった」「こうしたから成長できた」というポイントがある。つまり、彼らなりの流儀というものがある。
その流儀を学ぶこと、真似ることで、きっとあなたは、いままでの自分から抜け出せるにちがいない。
天才たちや成功者たちをみて「この人はすごいな」とか「優秀だなあ」といっているだけでは何の足しにもならない。問題は「この人のここがいい」と感じとることができるかどうかだ。
たとえば恋愛でも、「彼女は優秀だから付き合いたい」とか「俺は才能があるから好きになってくれ」というアプローチは通用しないはずだ。「彼女のここが好き」「彼のここが素敵」という具体的なポイントを感じとったり、見抜いたり、よさを引き出してあげることによって恋愛が育っていくのだ。天才たちをみるときにも、そういう視点が大切なのだ。
幸いにも、天才とか成功者と呼ばれるような人たちと接したり観察したりする機会に私は数多く恵まれてきた。そのなかでも、とびきりの22人を本書に結集させてもらったつもりだ。
なぜ彼はこんな偉業を成し遂げることができるのか、どうして彼はこんな才能を身につけることができたのか、彼のどこが素晴らしいのか、そういうことを日々、感じとるチャンスを与えられた以上、私は、そのすべてをここに明かさなければいけない。そう決意して書いたのが本書である。
彼らはみなそれぞれの流儀をもっている。そして、それは私たちがいますぐにでも参考にできそうなものばかりだ。
きのうまでくすぶっていた自分から抜け出し、その他大勢から抜け出すこと。それは彼ら22人の流儀を知ることからはじまる。
テリー伊藤