『天才たちの流儀 いつもの自分から抜け出す22のヒント』
[著]テリー伊藤
[発行]PHP研究所
なにがあっても続ける力
主演女優として『放浪記』の舞台に上がり続けること2000回超。まさに前人未到の大記録を達成した森光子さんが、現役の女優として初めて国民栄誉賞を受賞したのは日本の芸能界にとって歴史的な出来事だった。
2000回を達成した当日の舞台には、王貞治さんや中村勘三郎さん、黒柳徹子さん、ジャニーズのスター軍団といったVIPが観客席にズラリと並んでいた。舞台側から客席を撮っただけでもテレビ番組がひとつできそうなほど豪華な顔ぶれだ。もっとも、一度にこれだけのスターを集めたら予算がいくらあっても足りないだろう。それだけでも森光子という女優の偉大さがわかるというものだ。
その日のカーテンコールで、大喝采を浴びながら挨拶に立った森さんの言葉のなかで、私がもっとも印象的だったのは、このひと言だった。