『天才たちの流儀 いつもの自分から抜け出す22のヒント』
[著]テリー伊藤
[発行]PHP研究所
前向きなミスは責めない
いったい、だれが08年に西武ライオンズの日本一を予想していただろう。評論家のなかで西武を優勝候補にあげた人はひとりもいなかったし、前年までチームを率い、内情をだれよりもよく知っている伊東前監督にして「Bクラス」と断言していたくらいなのだ。
松坂の抜けた穴は依然ポッカリとあいたまま。主砲のカブレラと和田が抜け、裏金問題ショックが尾を引いてテンションが下がりっぱなしのチームをだれも高く評価しなかったのは無理もない。おまけに「常勝西武のつくり方」をもっともよく知っていたはずの伊東監督に代わって就任したのは「投手出身の監督は野球を知らん」と野村監督にこき下ろされた渡辺久信監督だ。野球を知っている人であればあるほど、どう贔屓目にみても西武に優勝の要素は見いだせなかったのである。