つきあっている男性の意識を「恋愛モード」から「結婚モード」にシフトさせるにはどうしたらいいのか? というのも、多くの女性が直面しているテーマです。
そのような相談を受けると、私はまずその女性に、彼のいやなところ、不満に感じる部分は何かを尋ねます。
「いつも会うたびに、仕事のグチばかり聞かされるんです。私に言われても、何もアドバイスできないし、正直、聞きたくないんです……」
といった答えが返ってきたら、それに対して私は「グチもあえて聞いてあげるようにしてください」とアドバイスしています。
男性は、誰にでもグチを言うわけではありません。自分の気持ちをわかってくれると信頼している相手、特別な親近感を抱いている相手にしか弱い部分は見せないものです。
グチばかり聞かされるのは、たしかに苦痛なものですが、彼がそれをさらけ出せるのは自分だけなのだと思って、ある程度聞いてあげるようにすると、男性はこの女性を「かけがえのない存在だ」と感じるようになります。
そんなふうに、男性の弱点を見抜いて、それを受け止めてあげるようにするのも、「結婚モード」へとシフトさせる方法のひとつです。
このようなお話をすると、「どうして私ばかり我慢しないといけないんですか?」と言われることがよくあります。私は、女性が我慢して男性の要求に合わせるべき、と言っているのではありません。男性に従うのではなく、男性を「教育する」のです。
そもそも、人間の男女を比較した場合、圧倒的に女性のほうが生物的にすぐれています。女性はなんといっても子どもを生むことができます。この世にいるすべての男性は、女性から生まれてきているのです。
身体的な機能ばかりでなく、能力的にも、女性は仕事もできるし、出産、子育てもできる。家庭的なことも、いまは男女双方が行うべき時代ですが、やはり女性のほうが高い能力を発揮しますよね。男性は、せいぜい仕事と趣味ぐらいしか、威張れるものがありません。
女性のほうがあらゆる面で上なのですから、上に立って教育するつもりで接してあげればいいのです。
男性は、自分の得意なことや、仕事の成功などについて自慢したがります。そういうとき、「すごいね」と言ってあげると、本当に喜びます。単純ですよね。そうやって、ほめていい気分にさせたタイミングで、たとえば「今度のデートはあそこに行きたいな」など、自分がしてほしいことをお願いすれば、たいていのことは聞いてくれるはずです。子どもと同じで、いかにうまく「教育」していくかが大事です。
相手と自分が対等と思ってしまうと、どうしてもぶつかりあってしまい、喧嘩が多くなってしまいます。自分が上に立っているという精神的な余裕を持つことは、うまくつきあっていくための秘訣でもあります。
男性は安らぎをほしがる生き物です。女性は癒しを与える存在になると、男性から深く愛されます。
ただ、「癒す」ことと「尽くしすぎる」ことを混同してしまう女性もいます。たとえば、彼の家に行くたびに、掃除や洗濯をしてあげる、というのは、恋人としての癒しではなく、家政婦か母親の行動です。
料理も、たまにしてあげるのは「癒し」ですが、毎日つくれば、彼にとってはそれがあたりまえになってしまいます。
「癒し」と「尽くしすぎ」の境界線を見極めるには、彼の反応や態度に敏感になることです。尽くしすぎると、男性は必ず横着になります。彼がわがままになったり、自分勝手になったなと感じたときが境界線です。「癒してあげなければ」と必死になるのではなく、自分が無理せず、できることをしてあげることで十分です。
癒し方にもいろいろな形があります。ときには母親のように包んでやり、ときには姉のように叱ってやり、普段は恋人として愛情深く接してあげる。彼のグチも、ときにはグチを吐き出して甘えたいという男性の気持ちを受け止め、母親のように存分に聞いてあげる。ときには「もっとがんばってみたら」と姉のように叱咤激励する。そして、普段は恋人らしく、自分から彼に甘えてみせる。そうした使い分けのできる「三つの顔を持つ女性」になれれば最強です。
大切なのは、その三つの顔をごちゃまぜにしてしまうのではなく、きちんと時と場合に応じて使い分けることです。そのためには、まず相手の男性のことをよく知る必要があります。
男性は本質的に弱く、女性のほうが強いもの。だからこそ、女性が男性にやさしくしてあげる必要があるのです。