『片づく! 見つかる! スピーディー![完全版]超ファイルの技術』
[著]刑部恒男
[発行]すばる舎
ファイリングにはいろんな方法があるが、どのファイリングシステムも一長一短で満足できなかった。
それぞれのファイリングシステムを見てみよう。
◆図書館式整理法のメリットは?
整理のシステムには、いろいろある。この本を手にした人は、「もっと良い方法がないか」と模索している人だと思う。そこで、今まで皆さんが採用してきた整理方法を比較しながら、理想的な整理法を考えていこう。
誰もが最初に試みるのは、図書館式系統別整理法である。少ない資料を整理する場合は、この方法で充分だ。系統的に並んでいるので、関連したファイルがすぐ横にある。仕事をしているときに、関連した資料を一度に出せるので、とても便利である。
たとえば、医学では学問そのものが体系化されている。診断学、治療学は、臓器別に体系化されているので、私も最初はこの整理法で行なっていた。
図書館式の長所をまとめてみる。
①扱う資料が系統的に分けられる仕事で、関連した資料をすぐ隣に置いておきたい場合に適している。関連したファイルを隣に並べられるため、関連したファイルを一度に取り出せるし、仕事が終わったら一度に戻せる。
②図書館のように多くの人が共有して資料を扱い、膨大な資料を保管する場合に適する。
◆しかし分類不能なファイルができてしまう
ところが、この図書館式整理法では、資料が増えてくると、いくつかの分野にまたがる「分類不能ファイル」に悩まされる。無理に分類すると、行方不明になる「迷子ファイル」が続出するのだ。スムーズな検索のためには、パソコンが不可欠になる。
個人では、これだと手間がかかって仕方ない。
図書館では、専門の人が整理する。パソコンなどで検索するときは理想的な分類法だが、パソコンへのデータ入力などの労力を必要とするため、個人で行なうには問題がある。
この方法では、分類しにくい資料が続出して、未整理の山がすぐできてしまう。私も、最初はこの方法で分類整理していたが、未整理の山で苦労した。
つまり図書館式の短所とは、次のようなことだ。
①いくつかの分野にまたがる「分類不能ファイル」に悩まされる。
②無理矢理に分類すると「迷子ファイル」ができやすく、よく検索不可能になる。
③完全な検索にはパソコン検索が必要となる。この労力がかかりすぎて長続きしない。