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片づく! 見つかる! スピーディー![完全版]超ファイルの技術
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あとがきに代えて

『片づく! 見つかる! スピーディー![完全版]超ファイルの技術』
[著]刑部恒男 [発行]すばる舎


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患者と読者に寄り添って

◆臓器移植外科医の激務を乗り越えて



 私は、富山県で地域医療に従事する開業医である。若いとき手塚治虫の『ブラック・ジャック』を読んで感動しアメリカまで留学し、本物の移植外科医になってしまった。


 大学病院時代の救命救急医療、臓器移植外科での経験を生かし、理想的な総合診療ができるクリニックを目指して富山に「トモエクリニック(内科・小児科)」を開業して、すでに20年以上が経った。


 臓器移植などの「外科」は、手術までが仕事である。終われば、あとは担当の「科」で治療される。しかしこれでは、患者さんが治っていく様子と寄り添えない。


 私が内科クリニックを選んだのも、ひとつはそれが理由だ。



 私は幼少時に腎臓を患い、生死の境をさまよった。医者だった父は外国文献を読みあさり、当時日本ではまだ使われていなかったステロイドを我が子に試すことにした。


 父の苦渋の決断で私の病気は劇的に改善し、生命を得ることができた。


 その人に起こることはすべて必然だという。私自身が医学の道に進み、1970年代日本の腎臓移植黎明期に臓器移植外科医として腎臓移植手術に携わっていたのも、私自身が腎臓病で苦しんだ体験があったからだと思う。



 大学病院勤務医時代は激務の連続だった。そのため歯槽膿漏が悪化し、歯科医に総入れ歯を覚悟するように言われた。クリニック開業時にもさまざまな苦労が襲い、気がつくと私の黒い髪の毛に白髪が混ざり始めた。まだ40代だった。


 PART6で書いたように、私は若い頃から人生の計画を立てて生きてきた。だが何もかも計画通りにはいかない仕事でもプライベートでも、〈想定外〉のことは起こる。


 それは誰しも同じだろう。想定外のことに焦る気持ちはわかるが、ここで必要以上にうろたえてはいけないと思う。



 総入れ歯覚悟宣告をきっかけに私は、毎日の生活習慣を徹底的に見直した。まず食生活の改善と運動の継続だ。健康に良い「色の濃い食品」を摂るようにした。学生時代は水泳部だったので、診察の昼休みに毎日1000mのスイミングを習慣とした。


 その結果、やがて白髪が消えて黒髪に戻った。もちろん、歯は今でも入れ歯ではない。生活習慣を見直すことで、60代半ばになった今でも40代の健康体を保っている。


◆患者さんとの信頼関係こそ、何よりも大切だ



 ただし気をつけなければならないのは自信過剰と頑張りすぎだ。健康に良い食事、運動を取り入れていても、日々の仕事のやり過ぎとストレスで、数年前に突然、私の右目は網膜剥離に襲われた。


 失明の一歩手前でのレーザー治療だった。


 その年の春から電子カルテを導入したので昼間は電子カルテの画面を見続け、夜はパソコン画面に向かって著作活動を続けて目を酷使していた。さらに急患センターの夜間当番医勤務で疲労が重なった日に網膜剥離を発症した。



 最近、知り合いの医者が癌を発症し、数ヵ月後には天国へ旅立った。死去する数ヵ月前まで急患センターの夜間当番医で働いていた彼の姿がまぶたに浮かぶ。


 頑張ることは良いことだが、頑張り過ぎはいけない。思わぬ大病が待ち構えている。健康に自信があった私もその罠に落ちた。疲れないうちに休んで心身のストレスをためないことが最も大切だ。



 患者さんの「患」の字は、「口」に串が刺さって心が閉ざされている状態である。医者は、その串を抜いてあげることが仕事だ。患者さんの閉ざした心の串を抜いてあげられように、心に寄り添った手当を私は心がけている。



 そのため、初診や重症化した患者さんには診察に1時間程かけることがしばしばある。その際、できるだけ専門用語は使わずに分かりやすい言葉で説明する。その人の食事、嗜好品、運動など生活習慣を充分に聞いて的確な診察と検査をし、今起きている病態をくわしく分かりやすくお話ししてから必要なお薬を処方している。


 高血圧症ひとつを取り上げても、原因は遺伝的素因、食塩過食性、肥満性、神経性、心臓性、動脈硬化性、腎性、褐色細胞腫など多彩である。これら、すべてに対応できるように血圧の薬だけでも、私のクリニックでは20品目以上の降圧剤を用意している。もちろん、それ以外の病気に対してもさまざまな薬剤を駆使する。


 それが、プロの仕事だと思っている。



 基本は、「患者さんの身になって説明し手当する」ことである。


 長期間内服する血圧の薬などは、なぜ、その薬が必要なのか患者さん自身が充分理解していないと、途中で内服を止めてしまい、心筋梗塞や脳梗塞などの重篤な病気に進展してしまう。患者さんとの信頼関係があってはじめて病気を克服できるのだから。


◆「ファイリングはむずかしい」と悩んでいる人のために



 本書でも、単なるファイリングシステムテクニックを述べたつもりはない。


 どうして机の上が「ぐちゃぐちゃ」になってしまうのか。どうして必要なものがすぐに出てこないのか……悩んでいる人の身になって、懇切丁寧に説明した。

「患者さんの身になる」というクリニックの理念と、この本の理念はまったく同じだ。WIファイルが、あなたの不得手な整理を治してくれる特効薬になると信じている。


「WIシステムのメリットはわかったが、私は何でも続かないし……」


 この本を読んで、そんなふうに思った方もいるかもしれない。


 しかし最初から何もかも完璧にしようと思うと、ストレスもたまる。気楽に考えて、できるところから……というのでもいいのである。


 本書でも何度か触れたが、ファイルシステムは、ある程度アバウトなほうが長続きする。だからこのWIファイルシステムは、緻密なようでかなりアバウトだ。



 必ず続くはずである。



 人生は、出会いと別れの連続である。この本が読者の皆さんとの大切な出会いとなり、仕事や生活に役立つことを祈っている。


 最後までお読み下さりありがとうございました。感謝。


著者しるす 

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