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タダより高いものはない
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経済・金融
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第一章 教育費がタダになる話 小泉進次郎氏が説く「こども保険」がイケてるらしい

『タダより高いものはない』
[著]上念司 [発行]イースト・プレス


読了目安時間:4分
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「子供が十分な教育・保育を受けられないリスクに対し、しっかりと目を向けなければいけない。質の高い日本の社会保障の持続可能性が、危機にひんしているんですよ」02


 これは二〇一七年五月九日の(さん)(けい)新聞に掲載された自民党衆議院議員の小泉進次郎氏の発言です。子どもは国の宝ですから、その部分に目を向けていかないといけません。高校や大学も無償化されれば最高ですね。また、社会保障制度の持続性に危機感を持つことは悪いことではありません。ご説ごもっともです。


 自民党などの調べによれば、高校や大学の無償化に必要な財源は五兆~一〇兆円とのことです。この金額を子どもたちの未来のためにいち早く投入しなければ! そうすれば、日本の大学進学率が上がって、経済的な理由で大学に進学できない生徒がひとりもいない状態をつくれるかもしれません。


 ところが、小泉氏は教育無償化に国費を投じたくても、すぐにはできないと言います。なぜなら、「日本は財政危機で財源が不足している」からだそうです。そうだったんですか? 世界最大の対外純債権を持ち、金利がマイナスの国債を発行しても引く手あまたの日本が財政危機……まぁ、いいでしょう。


 小泉氏が所属する自民党「二〇二〇年以降の経済財政構想小委員会」が財政危機と言うなら、とりあえずその考えに乗ってみましょう。冒頭に小泉氏の発言を引用しましたが、社会保障制度の持続性が危機に陥っている理由も、日本の財政が危機に(ひん)しているからなのだそうです。いやー、これは困ったなぁ……。


 同小委員会は、苦しい国の財政事情のなかで、教育の財源不足を補うために、資金をなんとか捻出しようと考えました。そこで出てきたのが社会保険料に上乗せする「こども保険」という制度です。ただ、この制度を本当に保険と呼んでいいかどうかはちょっと問題があるのですが、それは後述するとして、まずは小泉氏の発言からその中身を検証してみましょう。



 どうやったら高齢者偏重型の社会保障から全世代型の社会保障にシフトできるか。社会保険には子供向けがない。だから〇・一%でもいいから上乗せさせてもらいたいんです。年金、医療、介護の社会保険料は約一五%で、この給付の大半は高齢者向けです。それに比べ、こども保険の負担は一五〇分の一にすぎない。


 こども保険は、世代間の負担の落差を理解し、医療・介護費用を抑制していくことを国民的な合意として認識してもらうための新しいフレームワークにもなる。「主張」(引用者注=「産経新聞」二〇一七年四月九日付『【主張】こども保険 税負担の議論を逃げるな』)が指摘するような「その場しのぎのアイデア」ではありません。02



 たしかに、その場しのぎのアイデアじゃないですね。一貫して財政危機を(けん)(でん)してきたある勢力の過去の言動や行動から見れば、とても筋が通っています。財源は広く薄く国民から徴収する。何かよさそうな気がしますけれども、大丈夫でしょうか?


 自民党「二〇二〇年以降の経済財政構想小委員会」の資料によれば、それは次のようなしくみだそうです。


(1)まず、保険料率〇・一%で創設(約三,四〇〇億円)。こども保険給付金を創設。例えば、小学校入学前の子ども(約六〇〇万人)の児童手当を月五千円上乗せし、幼児教育・保育の負担を軽減

(2)医療介護の給付改革を徹底的に進めつつ、保険料率〇・五%に拡大(約一・七兆円)。例えば、小学校入学前の子ども(約六〇〇万人)の児童手当を月二・五万円上乗せし、幼児教育・保育を実質無償化03


「保険料率はたった〇・一%、社会保険料の一五〇分の一の負担なら、将来の子どものために我慢しようか……」と考える人も多いでしょう。それで教育の無償化が実現するなら、日本の未来は明るいかもしれない。痛みに耐えてがんばろう……。


 でも、ちょっと待って!! この話、なんか変です!


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