『タダより高いものはない』
[著]上念司
[発行]イースト・プレス
当初、日本のTPP反対派は、「TPPとはアメリカというジャイアンが自分に都合のいいルールをつくって他国に押しつけるしくみだ! 押しつけられたほうが大損する!!」と吹聴していました。
その象徴として、いわゆる「毒素条項」が挙げられます。具体的にはISDS条項やラチェット条項などが例に挙げられていました。ISDS条項はアメリカの企業が日本政府を訴えて多額の賠償金をせしめることを可能にする制度だといわれていましたし、ラチェット条項は日本があとから参加して、いくら希望を言っても先に決まっていることは変えることができない決まりだといわれていました(実際にはまったく違います)。