『タダより高いものはない』
[著]上念司
[発行]イースト・プレス
現在、日米間では麻生太郎副総理兼財務大臣とマイク・ペンス米副大統領が主導する日米経済対話が進んでいます。二〇一七年四月一八日にその初会合が開かれました。「貿易および投資のルール・課題に関する共通戦略」「経済および構造政策分野における協力」「分野別協力」など三本柱について協議するそうです。
TPPは多国間交渉だったため、アメリカがいくら大国であっても、ほかの一一カ国に数の力で押し切られる場面もありました。しかし、日米経済対話のような一対一の交渉になれば、アメリカの力に押し切られてしまう場合も出てくるかもしれません。
そんなとき、もし日本がアメリカ抜きのTPPを推進し、これが妥結にいたっていたらどうでしょう? アメリカが農業分野の開放を押しつけてきても、TPPでより高度な合意がなされていたら、アメリカの圧力なんて無意味です。