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明治日本の産業革命遺産
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歴史
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はじめに

『明治日本の産業革命遺産』
[著]柳澤伊佐男 [発行]ワニブックス


読了目安時間:3分
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 私がNHKで文化財関係の解説を担当していた頃、「おはよう日本」や「くらし☆解説」という番組で、「世界遺産」の話題を幾度となく取り上げました。


 その中で扱う機会が多かったのが、この本で取り上げた「明治日本の産業革命遺産(以下『産業革命遺産』と略す)」と「富士山」でした。

「富士山」は「日本の象徴」とも言われるだけあって、多くの人の関心を集めます。それが「世界の宝」、世界文化遺産に登録されたことで、さまざまな角度から解説する必要がありました。


 一方の「産業革命遺産」。タイトルだけ見ても、具体的にどういった文化遺産なのか、よくわからないという声がありました。ところが、世界文化遺産の推薦候補を選ぶ際や、先ごろ開かれた(2015年6月28日~7月8日)ユネスコの世界遺産委員会での審議をめぐって注目を集めるようになり、テレビや新聞に盛んに登場する存在となりました。


 しかし、その取り上げ方は、推薦候補の選定をめぐる省庁間の対立、世界遺産の登録に対する日韓の駆け引きなど、政治や外交の問題が中心でした。遺産そのものの内容や、世界遺産としての価値などについては、取り上げられる機会が少なく、文化財担当の解説委員としては、こうした点を紹介する機会をもっとつくらなければ、と思っていました。


 そうした中、ワニブックスから「産業革命遺産」についての本を書かないか、とお誘いがありました。私が「産業革命遺産」について解説した番組、もしくは、解説委員室のホームページ(http://www.nhk.or.jp/kaisetsu/)に掲載された記事を見てもらったようです。


 その頃、「産業革命遺産」は、ユネスコの()(もん)機関「イコモス」から世界遺産に登録することがふさわしいと評価され、世界遺産登録が現実味を帯びていました。また、個人的には、取材のために長崎市の「軍艦島」に上陸した直後で、その体験談を含め、「産業革命遺産」に関して、なんらかの形でまとめたいと思っていました。


 執筆の依頼を受けた際、喜んで引き受けたいと思いましたが、世界遺産の登録に反対する韓国の動きが活発で、最悪の場合、世界遺産の登録が見送りになる可能性がありました。


 そうした中で本を書いても、中途半端な内容になってしまうと(ちゅう)(ちょ)する気持ちもありました。


 とはいえ、「産業革命遺産」について解説するまたとない機会でしたので、与えられたチャンスはいかすべきと考え、周囲に散らばった資料を集め、関係者に再度取材をして、この本をまとめました。


 本腰を入れて書き始めたのは、世界遺産委員会の開催が迫った今年の6月中旬からです。本の構成や内容を吟味する時間があまりなく、まとまりがないものに仕上がったかもしれません。


 そのような批判は多々あるかと思いますが、一般には公表されていない「ネタ」を含め、「産業革命遺産」とはどのようなものかについて、つとめてわかりやすく書いたつもりです。


 特に、世界遺産としての価値については、ていねいに記述したと思っています。


 この本が、世界遺産のニュースを見たり、現地を訪ねたりする際の一助となれば、これ以上の幸せはないと思っています。

柳澤 伊佐男 


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