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明治日本の産業革命遺産
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歴史
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2.資産の概要

『明治日本の産業革命遺産』
[著]柳澤伊佐男 [発行]ワニブックス


読了目安時間:15分
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8県11市にまたがる「広域資産」



 ここからは、世界文化遺産への登録が決まった「明治日本の産業革命遺産」の構成資産について、詳しく見てみたいと思います。


 この文化遺産の最大の特徴は、23の構成資産が、九州・山口地域を中心にした8県11市に広がっていることです。それまで日本の世界遺産は、「(とみ)(おか)(せい)()(じょう)」のように構成資産がひとつの県(群馬県)で収まるものや、「()()(さん)()(れい)(じょう)(さん)(けい)(みち)」のように構成資産が複数の県(三重、奈良、和歌山)にまたがるものでも、地域的に隣接しているものが一般的でした。


 これに対して「産業革命遺産」は、地理的には分散していても、それぞれの産業遺産をひとつのまとまりとして捉え、全体をとおしてのテーマに世界遺産としての価値があるというスタイルをとっています。こうした推薦の方法は「シリアルノミネーション」と呼ばれます。

「シリアルノミネーション」によって登録された世界遺産としては、中国の「(みん)(しん)朝皇帝陵墓群」などがあります。地域をまたがるだけでなく、国境を越えた「シリアルノミネーション」の物件もあります。日本では「産業革命遺産」が本格的なものとしては初めてになります。


 こうした形で推薦された案件の「顕著な普遍的価値」、つまり、世界遺産としての価値は、個々の構成資産にあるのではなく、構成資産をひとまとめにすることで描き出されるテーマ、全体のストーリーに価値があるということになります。

「産業革命遺産」の場合、幕末から明治時代にかけての極めて短い期間に、西欧諸国以外では初めて、工業の近代化、産業化を成し遂げたことを示しているというのが、全体のストーリーで、23の構成資産をひとつにつなげて眺めてみると、そうしたストーリーが理解できるという主張になっています。

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