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消えた市区町村名の謎 地名の裏側に隠されたふるさとの「大人の事情」
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雑学
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戦前に市制施行したのに消えた市

『消えた市区町村名の謎 地名の裏側に隠されたふるさとの「大人の事情」』
[著]八幡和郎 [発行]イースト・プレス


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日本初の市にも消えたものがある


 1889(明治22)年の市制・町村制施行で最初に告示された市は36ありました。そのときに通番がつけられており、序列がありました。(とう)(きょう)(現東京都)、京都市、大阪市、(さかい)市、横浜市、神戸市、姫路市、長崎市、新潟市、水戸市、津市、名古屋市、静岡市、仙台市、盛岡市、(ひろ)(さき)市、山形市、米沢市、秋田市、福井市、金沢市、富山市、高岡市、松江市、岡山市、広島市、(あか)(まが)(せき)(現下関市)、和歌山市、徳島市、高松市、松山市、高知市、福岡市、久留米市、熊本市、鹿児島市です。都道府県庁所在地でないのは堺市、姫路市、弘前市、米沢市、高岡市、赤間関市、久留米市で、弘前市と赤間関市は県庁所在地である東津軽郡青森町と吉敷郡山口町が市でないのに市制施行されました。


 このうち、市名が残っていないのは赤間関市です。赤間関の語源は「ワカメ」とも「赤い岩」ともいわれています。「赤馬関」と書かれることもあり、略して「()(かん)」ということがあり、幕末史では馬関として登場することが多いです。中国ではいまも(しもの)(せき)条約を馬関条約と呼んでいます。


 赤間関市は1902(明治35)年に下関市に改称されました。理由は定かではありませんが、時代感覚にそぐわなかったのだと思います。3文字というのは2文字より不便です。


 太平洋戦争が終わるまでに211市が発足しましたが、市名が残っていないものは24市あります(表11)。特殊なケースは東京市と(とよ)(はら)です。東京市は東京府と統合した東京都の発足にともなって消えました。豊原市は樺太の中心都市で、現在はユーリサハリンスクと呼ばれています。台湾や朝鮮は制度が違うため、ここでは横に置いておきます。



あの有名な市名が消えた理由


 京都府(ふし)()は京都市に編入されました。兵庫県(しか)()は現在の姫路市飾磨区です。(さん)(よう)特殊鋼や(しき)(しま)紡績の主力工場があり、港湾として重要でしたが、占領下で合併させられました。静岡県()(みず)は政令指定都市になるために静岡市と合併して清水区になりました。


 京都府(ひがし)(まい)(づる)は舞鶴市と合併しました。舞鶴はもともと田辺といいましたが、和歌山県の田辺と同名だったため、版籍奉還のとき、同名の藩名は認めない方針にもとづき、城の別名をとって舞鶴になりました。東舞鶴は舞鶴の東郊に軍港が築かれたことでできた町です。舞鶴市と東舞鶴市は市制施行が同時で、新しい市役所は東舞鶴にありますから、東舞鶴優位の合併だったといえます。


 三重県伊勢市は()()(やま)()が周囲町村を編入して改称、伊賀市は(うえ)()を中心に周辺町村を合併したものですから、名称はそのままでよかった気がします。宇治山田は繁雑な合成地名で、上野という地名はあちこちにあってインパクトに欠けるところがありました。


 福岡県北九州市の場合、()()()(くら)(わか)(まつ)()(はた)()(ばた)はほぼ対等な5市の合併ですし、埼玉県さいたま市は(うら)()(おお)(みや)がほぼ対等(()()はやや小規模)、福島県いわき市は(たいら)の比重が大きくありませんでしたから、新しい市名になったのは自然です。大阪府東大阪市は()()(かわ)()(ひら)(おか)がほぼ対等でした。


 山口県(とく)(やま)(しん)(なん)(よう)(くま)()(くま)()()()鹿()()が合併して(しゅう)(なん)市になりましたが、()(たち)製作所の工場がある(くだ)(まつ)市の合併を前提とした命名で、山陽新幹線の駅名は徳山駅のままです。()()()は合併した()()(さん)(よう)の顔を立てて山陽小野田市になりました。


 鹿児島県(せん)(だい)は宮城県仙台市と間違われやすいため、薩摩川内市になりました。新潟県(たか)()(なお)()()と双子都市のような関係で、高田への集約は難しかったようです。福島県(わか)(まつ)については昭和、平成の大合併に翻弄されて消えた市、沖縄県(しゅ)()については那覇市の発展の陰で消えた「2つの市」で説明します。


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