『要領のいい人・悪い人 「ウマイことやる」生き方のコツ』
[著]中山正和
[発行]PHP研究所
新方法とか新方式を開発する専門家のことを「発明家」といいます。発明家は専門の知識を豊富に持っているかもしれませんが、決して学者ではありません。学者は宇宙を作った神様の「全知」を探ろうとする、つまり、「自然」というものが隠し持っている「真理」を求めるのですが、発明家(または技術者)は真理なんかどうでもいいので、要するに自分(社会も含めて)の欲望を満足させる「方法」「方式」を考えることに興味を持つのです。
「いい音楽を聞きたい」というのは誰でも持つ欲望ですが、昔は、そのためには劇場に行くか、音楽家を招いて演奏してもらわなくてはなりませんでした。