『要領のいい人・悪い人 「ウマイことやる」生き方のコツ』
[著]中山正和
[発行]PHP研究所
そして、いよいよ(4)の項目ですが、これが「極意」です。発明の経験がある人は「アイデアが向こうから歩いてきた」とか「神様が持ってきてくれた」と言います。発明ばかりではありません。何事も「人事を尽くして天命を待つ」心境であれば、問題は「おのずと」解決してしまうのです。棟方志功さんはひどい近眼で、版木に顔をこすりつけるようにして彫刻刀を使っています。「よくそれで全体の構図がまとまるものですネ」と感心すると、「ありがたいことです。木の中に仏さまがいらして、ここだここだとおっしゃって下さるので、私はその通り彫っているだけのことで……」と語っていたと聞きました。