『要領のいい人・悪い人 「ウマイことやる」生き方のコツ』
[著]中山正和
[発行]PHP研究所
読者の皆さんも、このヘリゲルさんの考え方は立派だと思われることでしょう。仕事の要領をつかむのも同じことで、「まずバカになってやってみる」。しかし、それだけではマンネリに陥ってしまって発展は望めませんから、「より要領よく」仕事をこなすためにどうしたらいいかを「考える」。仕事の手帳の中に何かムダなところはないか? そのムダは排除する──これがいい意味での「手抜き」です。ヘリゲルさんが師匠の教えに疑問を持って、同じく「笹の雪」を経験するために「簡単明瞭な方法」を発見したのも、要するに師匠に与えられた手順書の手抜きだということができるでしょう。