『要領のいい人・悪い人 「ウマイことやる」生き方のコツ』
[著]中山正和
[発行]PHP研究所
コトバを持たない動物、また、人間ならまだコトバを覚えない乳児期には、その《イメージ記憶》にある記憶は「自在」にありますから、その行動は直観的です。それでいて彼らはその社会にちゃんとうまいこと適合していて不便を感じてはいません。
ところが、神様は人間に《コトバ記憶》という脳を与えました。神様というと抵抗がある人は、これも自然の自己組織性によって《コトバ記憶》が作られたと考えてよろしい。
トリやケモノにもコトバらしきものはあります。エサの在りかを知らせるとき、危険を告げるとき、不快なときなどには、それぞれ独特の鳴(啼・泣)き声を出しますが、これはむしろ《イメージ記憶》にあるイメージに直結した反応であって、《コトバ記憶》のコトバのように、たがいに因果関係で結ばれているようなものではないと考えられます。