二〇〇二年の春のヨーロッパは雨が多かったが、私がベルリンを訪れた日は、暖かい日差しが降り注いでいた。新しいベルリン中央駅の工事が一段落し、大きなガラス張りの覆いが春の太陽の下にきらめいていた。
駅はまだ完成していないが、最上階、つまり地上にある線路は使われている。時折通り過ぎる列車はすべて新しく、ヨーロッパ経済を主導するドイツ経済を象徴しているようだ。
現在ベルリンで進められている地下鉄と鉄道の合同駅の工事は、東西両ドイツの合併で首都の地位を取り戻したベルリンの誇りを見せつけるように、驚くほど大掛かりに行われている。私のテレビ番組に出演するためにドイツ鉄道の本社からやってきた若いPR担当の女性がこういった。
「これからベルリン駅はヨーロッパの中心になります。イギリスやフランスをはじめとするヨーロッパ各国に高速列車が走るようになります。