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あなたも「リーダー」になりなさい
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2 リーダーは小粒化する

『あなたも「リーダー」になりなさい』
[著]竹内靖雄 [発行]PHP研究所


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首相の人材不足


 日本では、一国のリーダーとなるべき人物の供給が不足し、浮動する政治情勢の中からたまたま浮上してくる首相もその器量は時とともに小さくなってくるように思われる。

 首相の人材不足は、平成だけの特別の現象ではない。それは昭和に入って歴然としてきた。「最後の元老」西園寺公望は、やむなく推薦した広田弘毅の内閣が、一九三六年ドイツとの間で防共協定を結ぶに至って、その間違った外交路線を危惧した。その年、西園寺は内輪で米寿の祝いをした時に、リーダーにふさわしい人物の払底を嘆き、「今にして思えば、木戸、大久保、伊藤、あるいは加藤高明、やや落ちるが原敬など、いずれもひとかどの人物だったが……」といっている。

 明治以後、日本の歴代内閣、首相の中には、条約改定、憲法制定、日清戦争勝利、日露戦争勝利、第一次世界大戦参戦・勝利などの成果をあげたものもあるが、その多くはさしたる業績もなく、無難に時をやりすごした。何人かは失政を演じ、日本の進路を狂わせ、破局への道を用意した。内閣はなしで済ませるわけにはいかず、首相も不在のままにするわけにはいかない。野球でいえば、どんなお粗末な投手でも、とにかく投手が登板して投げないことには試合の進行が不可能となる。歴代首相の中にはこうして「とりあえず」、「ほかに人がいないから」、「巡り合わせで」登板した投手のような人物も少なくない。それでも幸運に恵まれれば、大した失点もなくマウンドを降りることができた。

 積極的に大失策をやって大量失点を招くには、単に無能であるだけではなく、「間違って有能」であるような人物、たとえば、一人で一〇人連続四死球を出す「怪投手」のような人物が必要である。戦後の首相にはこれほどの「大物悪玉」はいない。積極的に悪事を推進するというよりも、自分でつまずいて倒れたような人物が多い。小人物の証拠であろう。

 戦後歴代首相の「指南役」と呼ばれるようになった安岡正篤も、「大平首相以後にめぼしい人材が見つからない」といって、次代のリーダー候補である若手政治家を集め、その「指南役」としての影響力を発揮して、リーダー教育をほどこそうと考えた。これは安岡自身の「商売」でもある。つまり、「指南役」としては、各時代を通じて首相やその周辺の政治家と接触し、自分を頼りにする「弟子」あるいは「顧客」を確保することで自らの名声を保つ必要があったのである。しかし若い世代の政治家の間からは、『宋名臣言行録』などを講義する老漢学者安岡に学ぼうとするような需要は出てこなかったらしい。日本の政治家は、アメリカのロビイストがやっているビジネスを自分でやってカネを集めている。近年このカネ集めの方がますます多忙になっているので、迂遠な帝王学の勉強などしている暇がないということもあるが、漢学者の訓話を聞くより政策の勉強会にでも出た方がましだという判断もあるにちがいない。
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