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吉本せいと林正之助 愛と勇気の言葉
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ルポ・エッセイ
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第2章 情熱について ──正之助の言葉──

『吉本せいと林正之助 愛と勇気の言葉』
[著]坂本優二 [発行]イースト・プレス


読了目安時間:12分
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一一 石を玉に変える「三つの能力」


土の上に転がっている

ニワトリの卵を、

金の卵にして、

(とこ)の間に飾らないかん。

その金の卵に磨くのが

吉本やから。



参考『笑売人 林正之助伝』(大阪新聞社)



 若いころの正之助は、新人発掘のために、全国を飛び回っていました。


 日本のどこかに埋まっている原石。それを探し当てる「フットワーク力」が正之助の強みでした。


 当時まだ珍しかった洋服を着て、未知の土地へ出かけ、「手見せ」と呼ばれるオーディションで有望な芸人を選び出し、大阪へ連れて帰りました。


 吉本には創業以来、あまたの芸人が在籍し、屋台骨を支えてきました。そのために、こうして才能ある芸人を発掘する作業がくり返されてきました。


 正之助には、その(ぎょく)(せき)を見わける(がん)(りき)──「発見力」もありました。


 また、この芸がはたして大阪という土地のお客さんに合うかどうか。見込みのある原石を、どう磨けばダイヤモンドに変えられるか。パッと思い描ける「イメージ力」もありました。


 フットワーク力、発見力、イメージ力。正之助のこの三つの能力が、プロデューサーとしての成功をあと押ししたように感じられます。



自分の「強み」を最大限活かす


一二 人生には一歩も退けないときがある


俺がメシを

食えんようになったら、

お前の命をとるが、

それでもええか。



参考『吉本興業の研究』(朝日新聞社)など



 かつて吉本は、ライバルの(しょう)(ちく)とぶつかった時期がありました。松竹が、吉本の抱えている芸人を引き抜こうとしたのです。


 当時、松竹は歌舞伎や新劇などを中心とした、日本最大の興行会社でした。対する吉本は、演芸では一大勢力にのし上がっていたものの、まだまだ小さな会社です。しかも、相手の社長、白井松次郎は当時五〇歳、正之助はわずか二八歳でした。


 それでも正之助は、松竹本社に乗り込み、(うみ)(せん)(やま)(せん)の社長相手に、

「漫才が当たったと思うたら、すぐ裏へ回って芸人の引き抜きにかかるとは、何ごとや。大松竹のすることか。俺がメシを食えんようになったら、お前の命をとるが、それでもええか」


 とタンカを切りました。

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