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吉本せいと林正之助 愛と勇気の言葉
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ルポ・エッセイ
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第3章 愛について ──せいの言葉──

『吉本せいと林正之助 愛と勇気の言葉』
[著]坂本優二 [発行]イースト・プレス


読了目安時間:11分
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二二 「人から慕われる人」になるには


よくやった。

あんたの仕事は

それでええんや。



参考『わらわしたい』(河出書房新社)



 せいの性格をよく表している逸話として、長く京都の小屋で働いていた古参社員が、こんな光景を見たと語っています。


 あるとき、せいが小屋に入ろうと木戸に行くと、まだ新人で、せいのことを知らなかった若い娘が、せいをお客と勘違いしました。木戸を素通りしようとしたせいを止め、「お金を払ってください」といって入場を許しません。


 しかたなく、せいは楽屋口に回って小屋に入ったのですが、まもなく彼女が創業者であることを知った娘はびっくり。

「なんて失礼なことをしてしまったのか。クビになるに違いない……」


 恐縮する娘に、せいはこういいました。

「よくやった。あんたの仕事はそれでええんや」


 娘の仕事に対する責任感をほめ、彼女に小遣いまで与えたそうです。


 このように、寛容の精神と愛情を持って、社員を育てたせい。多くの社員から人望を集めたことは、いうまでもありません。



部下や子どもの失敗に寛容になる


二三 「信頼関係」はこうして生まれる


身体に(さわ)ることは

させんから。



参考『小説 吉本興業』(文藝春秋)など



 人は、自分を大事にしてくれる人を大事にするもの。相手を認め、尊重することからのみ信頼関係は生まれます。


 せいは「どじょうすくい」で有名な出雲(いずも)の「(やす)()(ぶし)」に目をつけ、その興行を実現したいと考えていました。当時、人気があったのは、遠藤お(なお)という名人。せいは、彼女との信頼関係を築く努力を重ねます。

「頼むから、小屋に行ってやってくれ。自分のうちの車を出すけん、身体に障ることはさせんから」


 ほかの小屋では女性演者を軽視する風潮があるなか、せいはお直の身体の調子まで労り、信頼を得ていきます。


 こうしてお直は、ときには一晩に三軒の小屋を回るという、当時の芸人にとってはとても無理な掛け持ちも引き受けました。

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