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吉本せいと林正之助 愛と勇気の言葉
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ルポ・エッセイ
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第4章 経営について ──正之助の言葉──

『吉本せいと林正之助 愛と勇気の言葉』
[著]坂本優二 [発行]イースト・プレス


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三二 プロよりすごいアマチュアになれ


芸人を(ろう)(らく)するには、

おのれが

芸人になることだ。



参考『オモロイやつら』(文藝春秋)



 正之助はときに、芸人や社員を厳しく叱りました。一見、毒舌のようですが、そこには洒落(しゃれ)を交えたユーモアと、相手に対する愛がふくまれていました。


 たとえば、ある芸人に対しては、

「あんなのは漫才とはいわん。あれは漫才にお手上げ、という“バンザイ”や」


 とユーモアを交えて叱りました。


 また、話が下手なのに衣装ばかり上等な芸人に対しては、

「おまえの高座は群馬県と沖縄県や! 日本の地図を見てみ、沖縄県は日本地図の一番下や。群馬県は日本の真ん中の東京よりもちょっとだけ上。つまり、お前の衣装は中の上やが、芸は一番下というこっちゃ」


 こんな粋な叱り方もしたといいます。


 そこにあるのは、正之助の「芸人と真っ向から向き合うなら、自分が芸人にならなくてはいけない」という哲学です。


 まず自分が実践してみせることで、模範を示したのです。



まず自分で実践してみる


三三 「学び」はどこにでも落ちている


客の面白さに

負けたらあかん。

私も思わずその客に

拍手をしたがな。



参考『笑売人 林正之助伝』(大阪新聞社)



 当時の(はなし)()たちは、正之助から叱られながらも、その巧みな話術を盗もうとしていたそうです。彼の説教には、必ずストーリーとオチがあったからです。

「下手な咄家よりも、はるかにうまい咄家だった」


 と、当時の人たちは証言しています。


 正之助は日ごろから、誰よりも笑いの勉強に余念がありませんでした。どんな笑いがウケるか、どうすればもっと面白くなるか、客からも学び、それを芸人たちに伝えていました。


 あるとき彼は、舞台を終えた直後の咄家に対してこう説教します。

「私は、お客を代表していうてますねん。社長やと思うたらあかんで、腹立つさかいな。客も陰でいうてましたがな、あいつの咄は電線を走るネズミやて。私、なんのことやろと思たけど、ハッとわかったがな。あいつの咄は、落ちそうで落ちんという洒落やがな。客の面白さに負けたらあかん。私も思わずその客に拍手をしたがな」

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